「この仕事は頑張らなきゃっていう直前は吸い過ぎて…」加藤浩次の“若すぎた頃”
――なるほど。加藤さんはタバコはリラックスする以外に、スイッチを入れたりするアイテムだとおっしゃっていましたが、若いときはどんなことを考えながらタバコを吸っていましたか。
加藤 若いときはがむしゃらでしたし、とにかく芸人として売れたいという願望ばかりでしたよ。だから本当に勝負どころというか、この仕事は頑張らなきゃっていう直前は吸い過ぎて気持ち悪くなって本番が上手く行かないとかありましたね(笑)。
まあ程度はあるけど、やっぱり緊張を和らげる効果はあると思うので、本番前に1本吸うのは、そのころからかもしれませんね。
タバコを消すまでの“タイムリミット”と「決断の瞬間」
――上京して30年以上になりますが、その間には人生で大切な決断をすることもあったと思います。そんなときはどうでしたか?
加藤 決断するときって「大丈夫かな?」って、すごく不安になるじゃないですか。だから僕はいろんな人の意見を訊くんですよ。なるほど、そういう意見もあるんだなって。
で、最後「よし、行こう!」「やっぱやめよう」って決めるのは、自分の場合、ほとんどがタバコを吸っているときだと思うんです。変な話、2分50秒76って僕の喫煙の平均時間を出しましたけど、吸い始めてから消すまでがタイムリミットっていうのかな、吸い終わるまでに答えを出すといった“制限時間”になっているのかもしれない。
例えば、考えがまとまらないときはゆっくり吸ったり、「よし、行こう!」と決めたらタバコが残っていてもパッと消したり。ずっとウジウジ考えたり、堂々巡りしていたら出口がどこかわからなくなっちゃうんですよ。
別に「この1本吸うまでに決めるぞ」と思っているわけじゃないんだけど、振り返ってみればそうやって決断してきたことがたくさんあるのかなって。
――「2分50秒76」の積み重ねが現在の加藤さんを作り上げたということですか。
加藤 そういっても過言じゃないと思いますね。どれだけの時間を費やしてきたか想像もつかないけど、その時間がムダだと感じるんだったらタバコをやめればいいだけの話なんで。
だからタバコを吸う方は、この喫煙所で自分の平均時間をぜひ計ってもらえたらと思います。「俺は加藤より長えなあ」とか「短いなあ」って盛り上がってもらえたら嬉しいですね。
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THE TOBACCO 2:50.76
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