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 9年前にスタートした相葉の初の単独冠番組『相葉マナブ』では、毎回、テーマとなる料理をつくるため、お笑いタレントの澤部佑(ハライチ)と小峠英二(バイきんぐ)とともに各地で食材を集め、調理も屋外で行う。もともと子供のころからアウトドア派で、あまり家で遊ぶということはなかったとか。芸能界に入ってからも休みをもらえば、のちには家ですごす喜びも覚えたものの、かつては朝から野球をしたりスポーツ観戦に行ったりしていたという(『Cut』2015年6月号)。

 昔から嵐のメンバーのなかでもとくに元気で笑顔が似合うという印象がある。番組を回すことが増えているのは、安定性だけでなく、明るく、親しみやすいキャラクターを求められてのことだろう。

『相葉マナブ』番組公式サイトより

 彼のほうでも、ファンの笑顔を見ると自分のテンションが上がり、幸せな気持ちになるという。15年前のインタビューでは、子供のころを振り返り《昔から陽気で退屈が嫌いでしたね。昔ね、僕は学校行事とか親に全部見てほしかったんですけど、僕の家は両親共働きでお店をやってたんでなかなかそうもいかなかったんですよ。だからお弁当の時間も親がいないから先生と食べたりして。今、この仕事で声援をもらうと嬉しいのは、そんな経験のせいもあるのかなって思う時がたまにあります》と語っていた(『SWITCH』2007年5月号)。まさにアイドルは天職だったのかもしれない。

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3年ぶりの主演ドラマで見せた「自然な演技」

 アイドルとして人気を集める一方で、俳優業にも力を注いできた。昨年10月期には3年ぶりの連続ドラマ主演となった『和田家の男たち』が放送され、今年は6月に12年ぶりとなる主演舞台『ようこそ、ミナト先生』、9月に8年ぶりの主演映画『“それ”がいる森』と、嵐の活動休止とあわせるように各ジャンルで久々となる主演作があいついだ。

『和田家の男たち』では、勤めていた会社が倒産してウェブライターに転身する主人公を演じた。ウェブメディアの世界で主人公が体験する事柄には、現実にライターを生業とする筆者から見ると「そんなことある?」と思うことも少なからずあったが、相葉の演技に限っていえば「いそう」と思わせるほど自然だった。

『和田家の男たち』番組公式サイトより

 相葉の「自然体」には、一緒に仕事をする人たちのあいだでも定評がある。どんなに慌ただしい現場でも、スタッフの一人ひとりに「よろしくお願いします」や「ありがとう」という言葉をナチュラルにかけてくれる。そのことを、ある記者が取材中に伝えたところ、本人はキョトンとした表情を見せたという。彼としては当たり前のことなのだろう。《たしかに、誰に対してもフラットではあるかもしれないです。もともと普段からカッコつけることもなく、このまんま。それ以上でも以下でもないって感じですかね》ということらしい(『an・an』2021年11月10日号)。