1ページ目から読む
3/5ページ目

徹底比較ROUND2:ビデオゲーム

 1980年代に急成長を遂げたホビーがビデオゲームである。当初は『スペースインベーダー』(タイトー)をはじめとするアーケードゲームが中心だったが、83年の「ファミリーコンピュータ」(任天堂・以下「ファミコン」) 登場以降は家庭用ゲーム機に主戦場が移っていく。

 この新たなホビーに目をつけたのが、「コロコロ」である。老若男女問わず人々を魅了していたビデオゲームを、荒唐無稽な必殺技でクリアしまくる史上初のビデオゲームマンガ『ゲームセンターあらし』を生み出した「コロコロ」は、その後、数多くのゲームマンガを生み出す。さらにハドソンなど有力ゲームメーカーとの結びつきも強め、高橋名人といったゲーム業界人も多数登場した。

 ガンプラを仮想空間で戦わせるという、当時では画期的なアイデアで人気を博した『プラモ狂四郎』。「パーフェクトガンダム」は、本作のオリジナル機体である。

ADVERTISEMENT

画期的なアイデアで人気を博した『プラモ狂四郎』

 トミー(現タカラトミー)の玩具シリーズ「ZOIDS(ゾイド)」。その圧倒的な造形から海外にもファンは多い。「ボンボン」創刊号では、早くもガンプラを扱った特集を展開。驚きの読者1008人へのガンプラ懸賞企画に加え、表紙にズラッと立ち並ぶガンプラたちが壮観だ。

「コロコロ」が牽引したミニ四駆ブームの火付け役、マンガ『ダッシュ! 四駆郎』を代表する名車「ダッシュ1号 皇帝(エンペラー)」。

 すがやみつるが描いた『ゲームセンターあらし』。主人公・石野あらしの秘技「月面宙返り(ムーンサルト)」に度肝を抜かれた読者も多い。

『ゲームセンターあらし』

 また、ゲームハードもファミコンなど任天堂ハードのみならず、ハドソンとのつながりからPCエンジンも積極的に取り上げるなど、どこよりも早くゲームの最新情報を紹介した。対する「ボンボン」は、ファミコンブーム到来とともにゲームマンガを展開。少林寺拳法でゲームを攻略、悪の組織と戦う『ファミ拳リュウ』や、基板改造や違法アクセスなどなんでもありの『ファミコン風雲児』といった、どこかアングラな香り漂う作品を生み出した。

 ここでもメジャー路線の「コロコロ」、マニアック路線の「ボンボン」という性格の違いが出てきたのがおもしろい。90年代に入り、「コロコロ」では沢田ユキオの『スーパーマリオくん』がスタート。

 本作のヒットが縁になったかは定かではないが、以降も『星のカービィ』『ドンキーコング』といった任天堂の人気ゲームをマンガ化していく。この流れで96年に『ポケットモンスター』のマンガが連載スタート。「ポケモン」人気が大爆発したことにより、ここに「コロコロ」と任天堂という強力なタッグが成立するのである。

「ボンボン」でも『ドクターマリオ』『スーパーマリオワールド』といった「マリオ」シリーズ作品のコミカライズが連載されたものの、いずれも短命に終わってしまった。かわりにコナミの『がんばれゴエモン』やカプコンの『ロックマン』といった人気タイトルのコミカライズが人気を博したが、やはり任天堂の牙城は崩せなかった。

 この勝負、「コロコロ」の勝ち!