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 さらに90年には、駄菓子を使った料理「リトルグルメ」を描いた異色の料理マンガ『OH!MYコンブ』が連載されたりと、大人からは眉を顰められそうな、でも子どもなら一度は試してみたいギルティな作品がヒットを飛ばす。

 あっけらかんと下ネタで笑い飛ばす「コロコロ」と、少し背伸びしたい「ボンボン」……といった具合に、両誌はそれぞれ子どもたちの見たいものを追求したマンガを掲載していたのであった。

 この勝負、引き分け!

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「コロコロ」と「ボンボン」の抗争がたどり着いた先

 このように、80年代から90年代初頭にかけて「コロコロ」と「ボンボン」の抗争は、やや「コロコロ」が優勢を保ちつつ、時折「ボンボン」が放つスマッシュヒットで状況が逆転する……といった具合に、抜きつ抜かれつの拮抗した状況が続いていたようだ。

 しかし、90年代後半「コロコロ」は「ポケモン」という強力なコンテンツを扱うようになり、名実ともに児童誌の覇権を握ることとなる。これにより、「ボンボン」はポスト「ポケモン」を探しまわることになる。ここが、両誌の命運を大きく分けるターニングポイントとなった。

 覇道を歩み続ける「コロコロ」と、休刊に向けて徐々に勢いが削がれていく「ボンボン」……というのが90年末から2000年代にかけての両誌の状況だった。

「コロコロ」、「ボンボン」の黄金期はいつか?というお題に対しては、読者の年齢によっても変わってくるだろうが、やはりよりおもしろい誌面を作ろうと両誌がしのぎを削っていた、80年代から90年代前半こそが、両誌の、そして子ども向けマンガ誌の黄金期だったと言えるだろう。

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