新しいことにチャレンジするのは、若ければ若いほどいい
そしてコロナ禍に突入するも、僕はドラマ『8月は夜のバッティングセンターで』(21年7月スタート・テレビ東京)、映画『野球部に花束を』(22年8月公開・日活)への出演までさせていただき、それぞれで重宝がっていただけたようです。
時系列で見ていくと、専門である野球解説方面だけでなく、あらゆるジャンルからのお声掛けがあったのは、それにことごとく飛びついて、自分のキャラクターを確立し、周知していくことができたからなんでしょうね。とにかく、前のめりになって挑戦し続けていましたから。
「失敗したらどうしよう」なんてネガティブな考えは一切なかったです。むしろ、失敗したら、そのときになってどうするか考えればいいと割と楽な気持ちで考えていたのです。
新しいことにチャレンジするのは、若ければ若いほどいい。若ければ失敗を取り返す機会と時間は十分あるから。一理あるかもしれませんけど、僕は基本的に年齢で線を引くのは意味がないと思います。僕はアラフォーの38歳で引退し、今や46歳のオッサンです。でも「ビジネスパーソンとしてはまだまだヒヨッコ」。その心境で挑戦を繰り返してきたことが今につながっているんです。
高級車、タワマン、ブランド品……高価なものを身につけて気づいたこと
若い頃に高価なものを身につける。これは単なる浪費か、それとも意味のあることなのか?――僕は後者だと思います。
入団した直後、僕は1300万円の車(メルセデスベンツS500)を購入しました。これが僕の愛車史上最高額なんですけど、契約金や年俸とか、それまで体験したことのない金額を手にしたわけですし、車にも興味が高まる年頃。高級車の良さを知りたくもありましたからね。
プロ入り当初はブランド品も身につけていたし、引退近くになったときには都内のタワーマンション(賃貸)で暮らしたこともありました。いずれもいかにもな贅沢品ですけど、僕がこれらを手に入れたのは、見栄とかじゃないんです。高いものがどういうものかを知っておくと、安くてもいいものがわかると思ったからなんです。値段じゃなくて本当にいいものの基準がわかるんじゃないかと。
結論から言うと「いい車」とはどういうものなのか、基準がよくわかりました。高級車は走りも乗り心地もデザインもすこぶるいいですし、なぜ車好きはこの種の車を求めるのか、その理由も理解できました。
ブランドものについても同じです。一流テーラーのスーツは普通に売ってるものではサイズが合わない僕の体型にジャストフィットして、なおかつ動きやすく着心地がいい。生地もしなやかです。