文春オンライン

ライダーズカフェで接客を手伝ったすごい女性客→「ただのOLよ」と立ち去る→3年後カワサキ販売会社社長に…本人に真相を直撃してみた

カワサキモータースジャパン・桐野英子社長インタビュー #1

2023/01/06
note

「今度、KAWASAKI祭りをやるんです」と教えてもらって

――4年前のことを詳しくお聞きしたいのですが、その日は会社の方は何人くらい同行していたのですか。

桐野 私だけ。完全にプライベートで。その前から自分のオートバイに乗ってインザシーさんには行っていたんですよ。オートバイに乗る方たちがFacebookでインザシーさんをよく紹介していて、それを見て行ってみようと。オートバイで何回か通っていたら、Maiさんから「今度、KAWASAKI祭りをやるんです」と教えてもらって、「え、行きます、行きます」と答えて参加したんです。

――以前からお店には通われていたんですね。

ADVERTISEMENT

桐野 いや、でも1年も通ってはいなかったですよ。バイクカフェって意外と少なくて、駐輪する場所がないとなかなか……。街中にいいカフェがあっても、オートバイだと気軽に停められないじゃないですか。

 ツーリングに行っていたので、オートバイ乗りの方が行くお店や停めやすい場所をFacebookなどでよく調べるんです。そうしたなかでインザシーさんを知って、いいお店だなって。

 

次第に客が増えて店はカオス状態に…

――当日は、何時頃にお店へ。

桐野 記憶が定かでないところもあるのですが……、たしか15時くらいから「KAWASAKI祭り」が始まるので1時間くらい前にはお店に着いてたんじゃないかな。イベント自体はカワサキのオートバイに乗っている方は来てくださいといったものなんですけど、どんどん集まり出して。

 お客さんたちのオートバイをチェックしては「どんなふうにカスタムしているんだろう?」とか「こんなシールを貼ってるんだ」とか。最初のうちは「このシールどうやって作ったんですか?」なんて聞いて回ってたりしていたんですけど、次第にお客さんの数がMaiさんひとりでは対応できないくらいになってしまった。

 お客さんが集まるのはうれしいですけど、飲食店なわけですから「Maiさん、商売もしないと!」って気になってしまったんですよ。

――かなりカオスな状況だったと。

桐野 10人ちょっと座れるカウンターと、テーブルが3つくらい並んだお店で。しかも台風の被害を受けた直後だったので、調理器具が水にやられてダメになっていたんです。お客さんがいっぱい来てくれたけど、そういう状況でもあったのでね。

 終始、和気あいあいとしたイベントでした。お店の前はオートバイがたくさん停められるようになっていて、お客さん同士で譲り合いながらオートバイを停めて、店の中に入れない人たちは外でおしゃべりをするという。

 

 Maiさんがイベントに向けて、一生懸命ノンアルコールドリンクを試作しているのを見てましたからね。カワサキのメインカラーであるライムグリーン色のドリンクを作りたいということで、シロップを入れて「これ入れすぎると色が変わっちゃう」とかいろいろ試したりして。対応に追われすぎちゃうことで、そうやって頑張って用意してきた飲み物をちゃんと出せなくなるのって辛いし、お店の売り上げにもならないじゃないですか。だから「私、手伝うわ」って。

関連記事