制度改変され、来年から大きく変わる「つみたてNISA」など投資を取り巻く環境は少しずつ良くなっています。ここでは15年以上の投資キャリアを持つ杉原杏璃の新著『お金に働いてもらう! ほったらかし投資』より一部抜粋。

 投資に馴染みのない方に向けた彼女の考えをお届けします。(全3回のうちの3回目/#1#2を読む)

「大きく儲けるのではなく、大きく損をしないこと」が大切

 一緒にお仕事をするスタイリストさんやヘアメイクさん、フォトグラファーの方にも、私が株をやっていると話すと「大丈夫? 損してない?」とよく言われました。

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 ゼロ金利の現在は「預金するなら投資」という雰囲気になってきていると思うのですが、投資という言葉を聞くと「損をする」「ギャンブル」「一か八か」とイメージする人がまだまだいると思います。

©鈴木七絵/文藝春秋

 お金は銀行に預けるものと考えている人もまだまだたくさんいます。でもこのままゼロ金利政策が続く限り、銀行預金ではお金は増えません。以前は銀行に行くと、定期預金を勧誘するポスターが張ってありましたが、最近はめっきり見ることもなく、定期預金という言葉も聞かなくなりましたよね。

 投資の本に「メガバンクの金利0.001%に100万円預けて、それが2倍の200万円になるのに約7万2000年かかる」という話が必ず出てきます。それほど銀行預金はもったいないということです。

 余っているお金を銀行に預けておいたら、そのお金はただ眠っているだけ。投資に回して働いてもらうほうがきっとお金も喜びます(笑)。

 私の投資に対する基本的な考え方は、欲張らないこと。「大きく儲けるのではなく、大きく損をしない」これが私の投資のモットーです。

 私が株を始めた最初の1、2年は、購入している銘柄も多くありませんでしたから、頻繁に取引はしませんでした。でも、利益は年間30万円、月あたり2万5000円くらい。大きく儲けていませんが、元金が30万円でしたから、年利にすると100%です。今の銀行に預けておくことは本当にバカらしく思えるでしょ。

 株価は上がったり下がったり。その会社の業績、将来、投資家の動き、不祥事など、原因は様々です。そんな中で、決して深追いしないで利益確定するということをマイルールにしました。