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 このような取り返しのつかないミスをしないためにも、外出時の売買も私は2つ以上の端末で「検討用のチャート画面」と「売買用の注文画面」を使い分けています。

 大きい画面のパソコンやタブレットでチャートや値動きをチェック。一呼吸おいてからスマホで売買注文を出すようにしています。この一呼吸がミスを防いでくれるんです。

ルール3/知らないジャンルには手を出さない

 株の銘柄を決めるときに、自分が好きなジャンル、興味があるジャンル、身近なジャンルから選ぶという話をしました。これをルールにしているので、知らないジャンル、興味のないジャンルの株はあまり積極的に買いません。

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「これからはこの業界が伸びる」とか「ここは近々画期的な新製品を出すらしい」とか……この手の情報は枚挙にいとまがありません。特に利益が出ているときに限って、話が集まってきます。「この業界は知らないけど、儲かりそうだから投資しようかな」と思って投資してしまう人が結構います。しかし、このような買い方は失敗することが多いのです。

 知らないジャンルなのですから、勘も働かないし、そのジャンルのクセもわからないし、当然といえば当然かもしれません。「この銘柄は伸びるよ」なんて言葉にホイホイ乗らないように気をつけてください。

©鈴木七絵/文藝春秋

「きっともうちょっと上がるよ」は悪魔の囁きです

 私はこの3つのルールが株式投資成功の鍵になった、そして今もなっていると思っています。皆さんも投資を始めたら、あなたなりのルールを作って失敗の少ない投資をしてください。

 今現在の私の個別株での売買の目安は、長期投資を除いては、5%~15%の利益が出たら売ることにしています。

 臆病と思うかもしれませんが、最初の頃は株価が上がると期待が先行して「もっと上がったら売ろう」とか「まだまだ上がる」とつい考えてしまいがちでした。

 その結果、突然ガクンと下がってしまって売ることができなくなったのを何回も経験しました。そのたびに「欲張らなければよかったのに」と後悔と反省を繰り返したのです。それでぐんぐん上がると心の中で「きっともうちょっと上がるよ」と悪魔が囁くのです。その悪魔の言葉を聞きつつ、この銘柄の場合は10%まで上がったら必ず売るというように決めているのです。