2022年が終わろうとしている。
世界では3年目となったコロナ禍やウクライナ問題など暗いニュースが続いているが、日本の芸能界では大物歌手やミュージシャンの「復活劇」が続いた。
それぞれの事情や窮地からの復活模様――。
昨年、娘・沙也加さんを失った松田聖子
まずは昨年、恒例のクリスマスディナーショーの期間に突如として娘・沙也加さんの訃報が届いたのが、松田聖子(60)。
「札幌のホテルからの転落死」という娘の衝撃的なニュースは日々報じられ、聖子は残りのディナーショーのスケジュールを急遽キャンセルし、大晦日のNHK紅白歌合戦への出場もとりやめていた。
「結局、ディナーショーは今年の4月と5月に振り替えられ、6月から9月にかけてコンサートツアーが開催されました。日本武道館や大阪城ホールなど、追加公演も含めて全国12公演のコンサートはどれもチケットが即時完売でした」(芸能デスク)
筆者も直に目撃したが “復活ツアー” となった、夏の松田聖子のコンサートは圧倒的だった。
黒のゴシック風ドレスで聖子が歌い上げたのは…
いつも多彩な衣装替えでも観客を楽しませる聖子のコンサートだが、今回6着用意されたうち3着目の衣装は黒のゴシック風ドレス。前面には十字架を模ったような黒のリボンがついていた。
そこで歌い上げたのは、娘・沙也加のデビュー曲「ever since」。
「20年前、沙也加はこの歌をここでも披露しました。娘は天国に旅立ってしまいましたが、彼女のことを想わないときは一瞬たりともありません。ずっと私の心のなかで生き続けます……」
そう語り、涙を流すと、会場からは大きな拍手が沸き上がる。
だが、次の瞬間には、聖子は満面の笑顔に戻る。その後の衣装はピンクなどの“ブリブリ”で、イメージ通りの聖子ワールド全開となり踊り歌っていく――。
「驚いたことに、12回の公演すべてで同じ語りをし、同じところで涙を流し、同じタイミングで切り替えて、笑顔でコンサートが続くんです。やはり聖子は、これほどの悲劇をも糧にするのだと感じました」(同前)
しかし悲しみが消えたわけではないだろう。12月18日に沙也加さんの一周忌を迎えた聖子だが、今年も紅白の出場者リストに名前はなかった。