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「カオスな中国が生みだした次世代の自動車」とどう向き合うのか

 

 ごくつぶし扱いを受けながらの助走からキャズム超え、あるいは非合法の低速EVの遺伝子を引き継ぐ小型EVなど、中国EV市場の発展スタイルはあまりにもユニークすぎて、日本とは異質な世界にも思える。

 しかし、そのカオスな世界で鍛え上げられた中国EVは日本にも相当のインパクトを与えるのではないか。年数百万台を作る製造過程で身につけた「ちゃんと走る、ちゃんと充電できる」技術の評価は高い。

 また、地方ではガソリンスタンドがない地域も生まれつつあるだけに、自宅で充電できて足代わりに使える低価格EVには一定の需要がありそうだ。温室効果ガス削減が企業目標となるなか、EV商用車需要も高い。

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 カオスな中国が生み出した次世代自動車とどう向き合うのか。日本の雇用はどう守るべきか、あるいは中国のEVを活用した新たな社会が模索されるべきなのか。考えるべき課題は山積みだが、答えを出すまでに残された時間はそう多くはない。

写真=筆者提供

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