幼い子どもは大人が予想だにしない行動をとることが多い。そのせいで、ケガをしたり、危機一髪の体験をしたりする危険性があり、親は目を離す暇がない。なかには「あのとき、少しでもタイミングが悪ければ……」と、肝を冷やした人も少なくないだろう。本稿では、そんな子育て中に起きたヒヤッとする出来事を紹介していく。
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ベビーカーのベルトを外していたら…
体験談の中で比較的多かったのはソファーから落ちる、階段から落ちるといった、落下事故だ。田中あゆみさん(仮名・30代)は、幼い我が子に起きた恐怖体験をこう語る。
「まだ寝返りも打てない頃の息子を、ソファーの上に寝かせていました。大人しく寝ていたので、私は家事をしていたら、突然『ギャー』という泣き声が聞こえ、慌てて駆けつけると、息子がソファーから落下して、首がぐにゃりと曲がるような形で頭から床に落ちていたんです。
慌てて抱き上げて寝かせたら、しばらくして泣き止みました。幸い何事もなかったですが、必要ないと思って買っていなかった柵のあるベビーベッドを慌てて購入しましたね」
赤ちゃんの落下に関しては次のような目撃談もある。
「デパートで、お母さんと買い物中の子どもがいました。そのときに、たまたまベビーカーのベルトを外していたようで、乗っていた子どもが何かを取ろうとした拍子に落ちてしまいました。子どもは頭が重く、自分で支えられないので、こういう事故はよくあるらしいのですが、その時は救急隊員が駆け付けるくらいの騒ぎになっていました」(30代男性)
さらに、子どもの危険地帯のひとつが階段だ。太田真琴さん(仮名・30代)は、母から「あの時はびっくりした」と、自身の子どもの頃の出来事を聞かされたという。
「私がずり這いができるようになった頃のこと。実家に帰省した母は、2階に私を寝かせ、1階で親戚と談笑していたそうです。すると、階段のほうからゴロゴロゴロ、ドン!という音がして子どもの泣く声が聞こえた。急いで階段に向かうと、私がギャン泣きしていたそうです。
傷や打撲はなかったので、とりあえず母乳を飲ませて『まあ、大丈夫かな……』とそのまま寝かしつけたそう。翌日病院に連れていっても、とくに異常はなかったみたいです。
もちろん、私に当時の記憶はありませんが、母の実家は古い家なので階段がめちゃくちゃ角度が急だし、13段くらいあったんです。よくこんなところから落ちて無事だったな……と、今になって思いますね」