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 竿の強度はまったく保証されてないが、これで戦えるならリーズナブルではないか。極限まで贅沢を削ぎ落し、人間のオペレーションが試されるオールド仕様だ。

当日の餌代:
・サザエ2キロ 4,000円
・ヤドカリ10匹 1,000円
・くわせ赤貝 2,300円

用意した餌は総額7300円!

 というわけでイシダイ釣りに持参した釣具一式で総額102,047円! これでも新品で揃えたタックル(1)はイシダイ用品では調べた限り最安値で、タックル(2)はイシダイと戦うまで耐久は未知数……。どんな釣りでもハイエンドモデルで揃えると10万円は軽々と越えてしまうが、エントリーモデルで10万越えるのがイシダイ釣りだ。

 合計金額のせいで餌代がかすんでしまっているが、冬の餌盗りが比較的少ないシーズンでも7000円以上かかるので“孤高の釣り”であることは間違いない(マガニやマツバガイを現地調達できれば餌代タダになるが)。

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高級食材が次々と消える

 餌はサザエからスタート。

活きサザエ

 殻をトンカチで割ったら肝ごと取り出して、針にかける。

贅沢にも丸々一個使う

 肝に集魚効果がありそうだが、投げた時に外れやすいのと餌盗りを寄せやすいので、最初から取り除いて付けるのがメジャーらしい。

 人間なら簡単に釣れそうな高級食材サザエを海に放り込む。

まずは20mほど投げて少し沖を狙う

 餌盗りの確認のため、10分ほどで仕掛けを回収するとキレイに盗られていた。

 一瞬にしてサザエが消えたのだ。アタリを見落とした可能性もあるので張り付いて竿先を見ていると、今度は軽く叩くような反応をみせた。アワセを入れてみたが、針がかりすることなく餌がほとんど取られた状態で返って来た。

 高級食材がただ消費される時のメンタルトレーニング法をベテランのイシダイ師に教えてもらいたい。今度は餌盗りに強いとされるヤドカリをチョイス。ヤドカリは、イシダイ釣りでは必須アイテムである「ウニ通し」を眉間からお尻まで一直線に刺して、ワイヤーハリスを貫通させて餌付けする。ウニやサザエの数珠掛けにもウニ通しが必要とされる。

直近ではもっともイシダイの特餌とされるヤドカリ

 しかし、ヤドカリにも小さなアタリが出るのみで、ただ餌だけが盗られて返ってくる。それでもサザエより餌持ちが良い。実際、直近のイシダイ釣果はほとんどがヤドカリで釣れているという。温存しながら投入のタイミングを見計らった。