年間200万人もの観光客が訪れる湘南・茅ヶ崎市。そのシンボルともいえる存在が、烏帽子岩だ。

 烏帽子岩は茅ヶ崎海岸(サザンビーチ)から沖合約1.6kmほどにある岩礁の一つで、一帯の岩礁をまとめた正式名称は姥島(うばじま)という。烏帽子岩の由来は、今でいう神主や宮司が被っている烏帽子に形が似ていることから名づけられており、もっともイメージしやすいのは漫画「ヒカルの碁」の登場キャラクターである藤原佐為がかぶっているそれである。

あの烏帽子岩に上陸して釣り!

 また、サザンオールスターズの名曲「チャコの海岸物語」や「HOTEL PACIFIC」の歌詞では海岸から烏帽子岩を見つめる切ない恋愛が描かれており、この地の知名度を湘南から一気に全国区に押し上げたのは周知のとおり。

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 そんな茅ヶ崎市の景観に溶け込んだ烏帽子岩だが、実は磯釣り師の聖地でもある。大小50個以上の岩礁帯からなる姥島で渡礁できる磯は「サバ島、子サバ島、中クボ、安兵衛、長者蔵、烏帽子岩本島、大平、鵜島、平磯、バラアラ、江戸島、屋之棟、中ノトサカ、沖ノトサカ」の14個もあり、キャパシティーの広さと豊富な魚種が魅力だ。

 12月下旬、相模湾に浮かぶ名礁、烏帽子岩こと姥島で磯の王者イシダイを狙ってみた。

烏帽子岩までは茅ヶ崎港から渡船で約20分

 烏帽子岩までの渡船は「渡船えぼし丸」が行っており、受付の窓口を「磯屋」と「たつみ釣具店(ともに1人4700円)」の2店が請け負ってる。今回はたつみ釣具店で予約をとった。

出船前の早朝は、真冬にも関わらず大盛況だった

 初めて利用する渡船でもっとも不安な点は乗船までの段取り。たつみ釣具店の場合、電話で予約したうえで当日の流れは下記の通りとなる。

(1)スタッフさんが案内する位置に車を停車させて受付を行う(受付票を貰う)。この時に釣り物を相談して乗りたい磯を決めておく
(2)ロッドケースやバッカンなど重いものは船宿に預ける(自身で運んでも良い)
(3)茅ヶ崎漁港駐車場に駐車(駐車券と受付票と200円をセットにして茅ヶ崎漁港へ向かう)
(4)船長さんの案内で(3)のセットを渡して精算する(ここで精算しなければ駐車料金が高くなる)
(5)船長さんが磯割り点呼をとる(乗りたい磯に何人乗るか、ここで把握できる)
(6)両手で一度に持てるだけの荷物を持って乗船(自身で持ち込めなければ乗れない可能性も……)