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《歌舞伎女子の貧困》事故物件に住んでホスト通いする風俗嬢(25)の告白「週6日の鬼出勤と出稼ぎソープで働き詰め。月100万円がホストに消える」

『歌舞伎町と貧困女子』(宝島社)

2023/01/22

genre : ライフ, 社会

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「担当に初めて会った日、私すごく酔っぱらっていた。正直、何も覚えてない。顔がいい、くらいの記憶しかないかな。2回目に会ったときは、なんか優しい人だなって。こんな人だったっけ、みたいな。優しいから指名するようになりました。最初は一回の会計が数万円だったけど、なんかだんだんと20万円、30万円って使うようになって、気づいたらいまみたいになっちゃった。担当が喜んでくれるからシャンパンを下ろしちゃう」

※写真はイメージです ©AFLO

「売掛」というホストクラブの“沼システム”

 ホストクラブはどうして高額会計になるのか――。ホストクラブのシステムは1時間いくらという基本のセット料金があり、ボトルやシャンパンを入れると、その金額が加算されていく。シャンパンやボトルは高額であり、1本注文するだけで金額は跳ね上がる。その総額にサービス料、税がついてお会計となる。

 女性が支払った金額が担当ホストの売り上げとなる。ただし、売り上げは店とホストの折半で、女性が使ったお金のおおよそ半分が担当ホストの収入になるシステムである。

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 そして、ホストクラブには「売掛(うりかけ)」という制度がある。

 女性は来店時にお金を持っていなくても、ホストに借りることで遊ぶことができる。たとえば30万円のお会計だったとき、ホストが女性に代わって半分の15万円を店に入金する。そうすることで店舗側は30万円の売り上げとしてカウントする。女性は担当ホストに30万円の借金をした、ということになる。売掛をどう返すかは女性とホストの関係次第であり、店が関与することはない。

※写真はイメージです ©文藝春秋

 歌舞伎町のホストと客の関係はすべてお金で解決できるといわれる。一般的にホストは大きな金額を使ってくれる女性から待遇や接遇をよくしていく。ホストには何人もの女性客がついていて、同じホストを指名する女性同士の競争がある。そのため、女性たちはこぞってお金を使う。

 ホス狂いの女性たちは華やかな場所で数十万円するシャンパンを飲みたいのではなく、ホストとの関係をもっと深めるために高額シャンパンを注文するのだ。

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