文春オンライン

2023/01/22

genre : ライフ, 社会

「三峯ギャル」が生まれるまで

――三峯さんが30年にわたって描き続けている「三峯ギャル」と呼ばれる女性たちに関しては、美少女コミック誌を読んでいた者ならば鮮烈な印象が残っていると思います。

三峯 「あ、この絵なんか見たことある!」みたいなね。とにかく「ヘタだ」と言われまくっていたから、そういった意味でも記憶に残っている人もいるのかもしれないけど。

©文藝春秋

――32年前の「朝顔イラスト」が「三峯徹の立ち上がりみたいなもんです」とのことですが、その時点で“三峯ギャル”を含めたイラストの基本形みたいなものは完成していたのですか?

三峯 いやぁ、まだまだ。この頃は女の子をもっとかわいく描くにはどうすればいいんだろうって、いろいろな漫画家の先生の鼻や首の描き方とかを参考にしながら試行錯誤していましたね。もっとも大きく影響を受けたのは石ノ森章太郎先生で、女性の描き方は江口寿史先生の作品から勉強しましたけど。

――投稿する一方で、練習もしていたと。

三峯 投稿そのものが練習ですね。練習として描いたイラストを、そのまま片っ端から投稿していました。他の人は投稿とは別に練習として描きますけど。自分は絵がヘタだから、名前を知ってもらうには物量だよなって。

作画上のこだわりは「顔」

――“三峯ギャル”を描くうえで、こだわっている部分は?

三峯 こだわりじゃなく気をつけている点を話すと、目ですかね。左右で目の大きさを違えて描いちゃうんですよ。そうならないようにしているんですけどね。大きさが違っちゃうのって、たとえるとしたら夜中に書いたラブレターですよ。夜中に勢いにまかせてラブレターを書いて、目覚めて読んでみたら「いったい、なにを書いてんだ?」みたいな感じの。描いているときはそんなに気付かなくて、雑誌に載ってみて「あれ? 目の大きさ違うじゃん」とか「あれ? トーン貼り忘れてるじゃん」とか後々になって気付くという。どうしても投稿することが先というか、目的になっちゃっているので。

こだわりの道具 ©文藝春秋

――胸部に関しては? 突起部分に用いるスクリーントーンも決まっているそうですが。

三峯 そこはICスクリーンの41番。昔から変わってないですね。ふくらみの影には61番を使ってますね。胸部の描き方は、つくしの真琴先生の作品から学びました。

 でも、こだわっているのは顔。いまはみなさん描かないけど、顔の頬の線。『巨人の星』の星飛雄馬の子供時代とか、ああいう線あったじゃないですか。描いていると、あの線をどうしても入れたくなっちゃう。