――現在は選手としてではなく、監督としてW杯での優勝へと目標を変えたんですね。
木崎 あくまで「W杯で優勝する」という筋を通しているのが本田圭佑らしいな、と思います。こういった勝つための土俵づくりというのはよくやる思考法なんです。例えば、ここ数年は様々な国のクラブチームを転々としていますが、これは「ゴールしたリーグ数世界1位」を狙ってのことだそうです。
――なるほど。正直、オーストラリアなどのリーグは本田選手の実績からしたら物足りないのでは、と思いましたがそういった理由もあったんですね。
木崎 現役サッカー選手兼実業家というのも彼の戦う新しい土俵になっているようです。本田選手は常々「メッシに勝つ」といっていましたが、今や実業家でもある本田選手に対してメッシ選手はサッカー選手でしかありません。だから、確かにサッカー選手として見るとメッシにはかなわないが、選手兼実業家としてであれば年収は勝てるかもしれない、という勝負ができるわけです。
――すごい理屈だ……。そこまでいくと勝つことへの執念すら感じてしまいます。
木崎 「ゴールを動かしてるじゃん」というツッコミはもっともですし、僕もそこまでして勝ちたいかと思っています。ただ、そうやって小さな目標を達成することで“大きな野望”を達成することのモチベーションにしているんだと思います。
――かつての本田選手にとっての“大きな野望”は「W杯で優勝する」「世界一のサッカー選手になる」だったと思うのですが、それは日本代表選手を退いたことで達成できなくなりました。いまの本田選手が抱く“大きな野望”とな何なのでしょうか。