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スタッフの「ズレた優しさ」

――ダンサブルのYouTubeチャンネル『むしりとるチャンネル』でも話されていた、T.レックスの「メタル・グゥルー」の空耳ですね。

有田 ローションを頭からかぶって、そのぬるぬるを維持するという作品なんですけど、一日中維持するという絵を演出するために、日中のカットと夜のカットを撮ったんです。実は、日中のカットを撮り終えた後、他の空耳作品を撮るためにローションを落としたんですよ。でも、その作品を撮り終えると、まだ夜まで時間があるのに維持中をリアルにしたいからって、その時間からローションをかぶり直したんですよね。

 それで夜のカットまで待機していたんですけど、ローションってずっと体にまとわりつくから寒いんですよ。そしたら、スタッフさんが、「そんなに有田さんがふるえているんだったら」と言って、ドン・キホーテでカプサイシン入りのローションを買ってきてくれて。「これを塗ったら温かいと思います」じゃないんだよ(笑)。

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――気の遣い方が間違っている(笑)。

有田 実際、塗ってみると、ちょっとピリピリして温かいんですよ。でも、そうじゃないだろって。一回お風呂に入るとか他の方法があるでしょって。まぁ、妥協しないからこそ、あのクオリティになるんですけど。

「尻男優」になったきっかけ

――そもそも、なぜ有田さんは、空耳で“脱ぐ系”の路線になったのでしょう?

有田 僕も不思議に思って聞いたことがあるんです。そしたらスタッフさんが、締まっているとかセクシーに見えるお尻よりも、バラエティっぽく見えるお尻が良いと。毛がないという点も、やっぱり撮りやすいらしくて。空耳顔じゃないけど、「いいね、いいね、空耳ケツだね。空耳っぽいケツだね」って話になって。それに僕はNGがないんで、使いやすかったんじゃないかなって思います。一応、商売道具なので、お尻のケアもしているんですよ。

有田さんは東京・高円寺で居酒屋とバーを経営している ©文藝春秋

――お尻のケア?

有田 最近はだいぶサボってはいるんですけど、一時期、ものすごくお尻を出していたときは、前の奥さんがエステティシャンだったので、ピーリングを(笑)。

――ピーリングって、あの顔にするピーリングですか?

有田 はい。それをお尻に。ピーリング剤なんかも持ってきて、やってもらってました。やっぱりニキビとかできたら困るじゃないですか。お顔のお化粧水とか乳液をお尻に塗ったりして。あと、撮影のときも、座っちゃうと赤くなったりするので、お尻を出すネタの場合は、座らずに立って待機するようにしていました。