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レジェンド俳優たちの名演技

――プロすぎる……手タレならぬ尻タレですよ。そこまで徹底されていたら、尻ネタのときは有田さんを起用したくなる気持ちがわかります。

有田 空耳俳優って、僕以外にも印象的な方がたくさんいると思うんですけど、本当に演技力を必要とするような作品の場合は、千葉ロッテの球場アナウンスをしてらっしゃった野田美弘さんとか、「ナゲット割って父ちゃん」の菊川浩二さんが出演しているイメージ。対して、僕やはっちゴーゴー!!さんは、画力が求められるような作品に登場するイメージですよね。

©文藝春秋

――それはすごくわかります。有田さんとはっちゴーゴー!!さんがタッグを組んだ、セパルトゥラの「ショー・ミー・ザ・ラス」(さあ 入れろ! 水煮 うめぇ!! もう一度! 好きだ)、ラムシュタインの「炎と水」(一瞬見えるアイツは変態や)などは、画力がとてつもない名作です。

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有田 はっちさんってすごい面白い人で、ノっちゃうとすごいノっちゃうんですよ。そんなもん流せるわけないだろってところまでノっちゃう。「一瞬見えるアイツは変態や」のときも、僕はイスにくくられて、気持ち悪くなるくらいぐるぐると回っているから、はっちさんの姿なんか確認できない。

 なのに、あの人は僕に見せるための変態のポーズをずっと考えていたらしい(笑)。そんなのどうでもいいんだけど、ハッチさんはこだわってやっている。空耳の現場って、スタッフさんもそうだし、僕ら演者も、自分たちにしかわからないこだわりを持ってやっているから、ほんとに楽しいんです。

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空耳俳優の「腕の見せ所」とは?

――我々が撮影させていただいた写真も、有田さんのポーズが完璧でびっくりしました。こちらからのアバウトなポーズのリクエストに対しても、瞬時にレスポンスしてくれる。これが空耳俳優の反応速度か、と。

有田 僕らは、わけのわからない要求にも応えなきゃいけませんから(笑)。エリック・クラプトンの「コカイン」という曲をやったとき、空耳パートが「人が 人が 人が こけん」という歌詞だったので、ディレクターから「コケそうでコケないのやって」って。どうしようやったことねぇよ……って悩むんですけど、そういうむちゃくちゃなリクエストをどうパフォーマンスするかっていうのが腕の見せ所でもあるんですよね。

――先ほど演技プランを考える俳優さんもいらっしゃるとお話しされていましたが、有田さんは演技プランなどは考えるのですか?