「人と仲良くする才能しかなかった」
――すごい特殊能力じゃないですか。
有田 いや~養ってもらっているだけです(笑)。 先ほど、離婚した前の奥さんがエステティシャンだってお話ししましたけど、46歳で再婚しまして、今も奥さんが家賃を払ってますし(苦笑)。
――ちなみに、エステティシャンの奥さんとの初婚はいつ頃だったんですか?
有田 36のときに結婚して、3年ぐらいで離婚しました。再婚した方は、初婚のときの結婚パーティーで、僕たちのメイクをしてくれた人でして……(笑)。
――え!? 近い!
有田 僕は本当にダメでして、近場で手を出してしまうタイプなんです。身近な人を好きになってしまう。
――ということは、エステティシャンの奥さんもバーによく来ていた方ですか?
有田 そうです、そうです。再婚したメイクの奥さんも、前妻の知り合いで、やっぱりバーに飲みに来ていた人なんですよね。
――そういった経緯を今の奥さんは知っているにもかかわらず再婚するって、妙な清々しさがありますね。
有田 もういろんなものがバレてますからね(笑)。ほんとに昔っから、人たらしというか。芸人を辞めない才能と、人と仲良くする才能しかなかった。
もちろん、売れたい願望はあるんですよ。逆に言うと、これだけ売れていないのに辞めない芸人も珍しいと思います。みんなどこかであきらめてしまったりするんですけど。
杉並区では認知度が急上昇
――有田さんの立ち位置って、すごい特殊だと思うんです。たしかに、「売れていない」かもしれないけど、空耳俳優として「知る人ぞ知る存在」でもある。
有田 渋谷区だと誰からも顔を指されないですけど、杉並区になると「あ!」って顔を指されたりしますから(笑)。サブカル色の強い街へ行くと、急に認知度が上がりますね。
普通に歩いていると、おじさんから「キミ、あのお尻の子だよね」みたいに声を掛けられることもあるくらい。「ありがとうございます!」って返すと、おじさんも「お尻見せてよ」とか、どんどん言ってくるんですよ。僕もうれしくなっちゃって、「ちょっとここだとアレなんで、路地でいいですか?」とか言っちゃって。