西澤 結構そうしている方はいらっしゃる?
加納 いると思う。芸人だけじゃなくてね。でも、そこにかんしては、私じゃなくて、(ラランド)サーヤとかが頑張ってくれてる気がするから、応援してる(笑)。
いろんな戦い方があるし、戦わなあかんところがあるけど、私はその辺は、まだピアス外しちゃう側の人間。やっぱり戦い方にも、向き不向きがある。戦ったほうがいいと思ってもできひんものもあるから。
「芸人になりたい」Aマッソ・加納のアドバイス
お客さん お恥ずかしながら、お笑い芸人になりたいなと思ってるんです。ただ、すごくあがり症で。あがり症でも芸人になれますか?
西澤 逆に芸人の方って、緊張される方のほうが多いイメージがありますよね。どうなんだろう。
加納 私は全然あがり症です。
西澤 知らない人としゃべったりとか、知らない人の前でいきなり何かやるとかって、誰でも緊張しますよね。
加納 あがり症なら、吉本に行ったほうがいいかもしれない。場数が踏めるから。小っちゃい事務所に行っちゃうと、ライブが月1回ぐらいやから、永遠に緊張したまま。
西澤 そもそも、緊張するのも悪いことじゃないですよね。
加納 たまに、舞台上でスーッて意識が離れる時があるんですよ。いわゆる演者としての集中力が切れる、みたいな。そういう時ってほんまに緊張しないけど、スベっても堪えないみたいな状態になっちゃって、メチャクチャよくないんです。なので、むしろ緊張する時がいい状態。
一個言えるとしたら、こいつとしゃべってる時の私おもろい、っていうのは把握しておいたほうがいいかもしらん。オカンでもいいし、友達でも後輩でも、全然関係性のない人とかでもいいけど、結局、こいつといる時の自分がいい状態やねん、っていう環境をいかに増やしていくかやから。
西澤 以前、おっしゃってましたよね。それが自分の場合は、たまたま女性の芸人仲間としゃべっている時だったって。
加納 自分がいつ調子乗ってるかを考えることですね。やっぱり人って、調子乗ってる時が面白いんで。
西澤 そういう場所を見つけていくということですね。人生のアドバイスみたい。
撮影=末永裕樹/文藝春秋
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