出版社に入社が決まり、芸能界を引退することに

——就職されたんですね。

後藤 しかも出版社に(笑)。大学5カ年計画の最後の年には、研究室に入らないと卒業ができなくて。で、研究室に入ると必然的にテレビはもう出られない。事務所に「卒業はしたいので、お休みさせてください」と言ったんです。

 その時は卒業したらまた戻るつもりだったんですけど、大学の友達はみんな就職に動き始めているのを見て、いいな、と思った。履歴書も書いたことがないし、働くってこと自体を分かってなかったんですよ。

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 それ、私もやってみたいなと思って、じゃあテレビ局に就職しようと。だけど、そこまでの頭がないということに気づきました。

——テレビ局は当時憧れの就職先でした。

後藤 そうそう。早稲田、慶應、東大とかばっかりだったので。でも、運良く出版社に受かったので「芸能界やめます」と、そこはすんなり。

——高校生から華やかな世界にいて、そこから就職って、すごく思い切った決断に見えます。

後藤 やったことないことをやりたかったんですよ。でも、確かに迷いもあって。金銭感覚も変わるし、タクシーも乗れなくなるしとか。就職したての頃は「どうしよう。今なら戻れる?」とか、思ってました。

 でも、かっこいいことを言えば、何も人間としてできあがってなかったので。ここで普通の生活をしなきゃダメだと思いました。

撮影=鈴木七絵/文藝春秋

次の記事に続く 「出る杭は、メッチャ打たれると知った」引退して会社員に…孤高の女芸人・アンラッキー後藤(45)が語る、“芸能界と一般社会の違い”

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