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トイレが増えないと女性ドライバーは増えない

――実際に霞が関まで行かれたんですか?

門馬 ええ、普段のトラックの仕事で国交省に行くことはないから、資料を渡す時、「写真撮っていいですか?」と言ったら、国交省の人が「こんなところめったに来ないでしょうから、どんどん撮っていって!」って(笑)。

――その資料には主にどういったことを書いたんですか?

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門馬 やっぱり男性からのセクハラとか、パワハラ問題とか。あとは、先ほどもお話ししましたが、とにかくトイレ。都会に行くとトラックドライバーが寄れるトイレがないし、これではいくら国交省が促進プロジェクトをやっても、女性ドライバーは増えません(笑)。

 

――その後、国交省から何か対応はあったんでしょうか。

門馬 なかなか……ねえ。国交省さんは、まだトラガール促進プロジェクトをやっているけど、次の交流会では「せっかく資料は持っていったけれど、結局、国って動いてくれないよね」という愚痴大会が(笑)。

トラック運転手と子育ての両立は難しい

――企業だけで都内のトイレ問題を解決するのは難しいですよね。結婚や出産後に職場復帰される方は多いですか?

門馬 実際には少ないですね。結婚した女性で走っている方は、お子さんがいないとか、すでに大きくなっている方がほとんど。交流会に来ていた20代の女の子は、「出産後、すぐ復活するから!」って言っていましたが、もう2年は走ってないですね。パートナーの方は別の会社で配車係をされていると聞きましたが。

 

――トラックは渋滞などで終わりの時間も読めないし、子育てとの両立は難しいかもしれません。

門馬 私の場合、20代から30代の頃が一番、絶好調で長距離をやって、仕事が楽しかった時だったので、何度か彼氏もいたけど結局、全員別れちゃいました。結婚は30過ぎでいいやと思っていたんです。だって、結婚して子どもを産むとなると、最低でも3カ月は休まなくちゃいけない。

――3カ月で職場復帰は短いほうだと思うのですが。

門馬 いや、3カ月もトラックに乗れないなんて耐えられません。トラックに乗れないくらいなら、結婚しないほうがいい、子どもも産まないほうがいいじゃん、みたいな(笑)。だから私、ずっと独身で。