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トラック業界で起業する女性は、ほぼいない

――今日も黒のシックなスーツがお似合いです。

門馬 ははは。でもちょっとね、やってみたら黒ってどうしても社会のイメージが悪いんです。それで思い切ってカラーをワインレッドに変えました。茶色が多いとあずき色になっちゃうので限りなく黒に近いワインレッドにしました。実は暗いところで見ると黒に見えるんですよ。昼間はちゃんとした顔、夜はこっそり、かっこよく黒みたいな。

――上品な色ですね。社名や会社のロゴもご自身で考えられたんですか?

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門馬 そうです。いろいろ迷ったんですけど、何か違うなと。結局、下の名前をアルファベットで書いて「CHIGUSA JAPAN」にしようと。それでラフを描いてデザイナーさんにお願いしました。

「CHIGUSA JAPAN」のロゴが掲げられた事務所の外観

――実際に独立されてどうでしたか? トラック業界で起業した女性はまだ珍しいかと思いますが。

門馬 ええ、珍しいみたいですね。この間もパシフィコ横浜でジャパントラックショーというのがあって、女性経営者のディスカッションに呼ばれたんです。だけど私だけが起業で、他の方は奥さんとか2代目とか。トラック業界でいちから起業する女性というのはほぼいないようで、よく「なんで運送なの?」と驚かれますね(笑)。

社員8人中、女性ドライバーは2人

――今、社員さんは何人いらっしゃるんですか?

門馬 最初は私を含めて8人です。私と妹ともう1人、年配の男性社員の3人で事務や営業、配車をやって、ドライバーが5人でした。今は約20名まで増えて、そのうち女性ドライバーは2人です。うちは紹介だけの採用なんですが、どうしても比率的に男性が多くなっちゃうんですよね。無理して女性を雇用しようとか、そこまではやってないんです。

 

――女性ドライバーも増えてきたとはいえ、まだまだ男性が多いんでしょうね。

門馬 ええ、それでトラック業界にいる女性に声をかけて、いろんな普段の吐き出したいものや悩みを聞きたいと思って、時々、交流会を開いているんです。この会社を始めてからですね。2015年に国交省が女性ドライバーを応援するための「トラガール促進プロジェクト」を始めたのを聞いて、私たちも何かできないかと。

――国交省がトラガール促進? ほんとだ、サイトもありますね。少子化でドライバーのなり手が減っているというニュースもありましたね。

門馬 そうです。そのプロジェクトが始まったのを聞いて、3回目の交流会の時に「それなら今日、みんなで話したことを国交省に届けたいよね」と。飛び込みで直接、国交省に電話でアポを取って、資料を持っていったんです。