「なんて人間らしい、素晴らしい体なんだろう!」
――90年代前半は、リンダやナオミ、クラウディアなどのスーパーモデルによる、パーフェクトボディの流れがありました。
その後、“ヘロイン・シック”と呼ばれたケイト・モスを筆頭に、痩せたモデルたちが一気に台頭しました。拒食症かと見まがうほど、細いモデルばかりで。
道端 まさにその頃です。痩せてはいるけれど、不健康そうなモデルさんもたくさんいました。でも、仕事に行くと周りがみんなそうだから、10代の私は「これが素敵な、理想の体型なんだ」と思っていたんです。
――2000年代に入ると、健康的な筋肉がついたモデルが評価されるようになりました。
道端 ヘルシーでグラマラスな、ブラジリアン・モデルの時代ですね。私、ジゼル(・ブンチェン)が大好きだったんですよ。それに私自身がトライアスロンを始めたこともあり、筋肉のある体がいいな、と思い始めました。
だから、ボディメイクの大会に出るようになって、選手の皆さんがすごく……そう、「人間らしいな」と思いました。人間らしい、素晴らしい体をしていることに気づいて。
脂肪ではなく、鍛えた筋肉でつくる「曲線美」
――絞り込んで痩せているけれど、それだけじゃない?
道端 ボディメイクをしている方々はみんな、筋肉がしっかりとあるんです。骨格は一人ひとり違いますが、本来あるべきところにきちんと筋肉がついている。だから、体がとても綺麗に見えるし、何よりも「生きてるな」と感じさせるんですよ。
――生身の人間だ、と。
道端 そうです。モデル時代の私は、「とにかく痩せているのがいい」と思っていました。でも今は、生命感や躍動感を感じさせる体が素敵だと思います。
ビキニフィットネスの審査基準には、「トレーニングによって作り上げられた、曲線的な美しさ」というのがあるんですよ。女性の体の美しさは曲線だといわれますが、それを「トレーニングで作る」のが、なんとも健康的ですよね。
女性美を極めつつ、筋肉美も追求できるって、最高じゃないですか?(#3に続く)
撮影 鈴木七絵/文藝春秋
ヘアメイク NOBU(LOVABLE)
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