「インターネット調べれば、ほら臓器売買で一回捕まってるじゃん?」
菊池容疑者とNPO内部のスタッフとの通話音声記録には、必死に自己弁護を図る言葉が残されている。登場する「A」は、臓器売買の国際ブローカーのトルコ人男性のコードネームだという。
《(今回の手術で)イスラエル人が2人死んで警察入って、結局何のトラブルも起きてないでしょ。あれでもしトラブルになって、新聞とかニュースに出たら我々も色々と責任問題が出てくるけど、結局、何の問題も起きてないんですよ。たぶん日本(の警察)も調べているけど、キルギスの警察も協力しないと思いますよ。そう思いませんか? どうですか? (中略)キルギスの警察とか病院に電話がいっても大丈夫なようにしてくださいと。たぶんもう問題ないけど、ちょっとそれAに電話してくれる?》
さらに、Aが臓器売買での逮捕歴があり、現在は偽名を使って活動を再開していることをほのめかす発言もある。
《僕たちはAという人と話してますよ、だからAの先が●(Aの本名)かもしれないって言って、俺は(患者に)ぼかしてあるのよ。で●(同)は、インターネット調べれば、ほら臓器売買で1回捕まってるじゃん? 刑務所入ってるだろ? だからそうすると『また同じことやってんじゃないの?』ってことになるからさ》
命の危険にさらされた患者の「臓器移植手術を受けて生きたい」という希望につけこみ、貧しい人間からは臓器を、患者からは大量の金銭を巻き上げたあげく、ずさんな手術を行って複数の人間を死に至らしめる臓器ブローカーたち。
菊池容疑者の逮捕によって海外を舞台にした臓器売買の闇の一端が明らかになりつつあるが、国際的な臓器売買のネットワークは広く、実態解明には今後も時間がかかるとみられる。
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