映像があるのに病院の説明はしどろもどろ
事実、謝罪会見では明かされなかった複数の疑惑がある。匿名を条件に取材に応じた「ふれあい沼津ホスピタル」の現役職員のAさんが明かす。
「おかしなことはたくさんあります。まずはYの暴行なのですが、記者会見で事務長が『机を押すなどの迷惑行為をする患者さんを制止するために、Yが机を押して倒し、それと同時に被害患者も車椅子ごとひっくり返り指に擦り傷を負った』と説明した後に、記者から『蹴りもあったのではないか』と問われると『蹴っていたかもしれない……』といった具合で、映像があるにもかかわらずしどろもどろになっていました。実際の映像には、はっきりと蹴るというか踏みつける様子が映っています」
Yの暴行は命にもかかわりかねないものだった
Yの過剰な暴力を記録した映像もあるという。
「Yは机を押したどころか、かなり強い力で投げ飛ばしており、机は患者さんの頭上を飛び越えるように飛んでいます。机は4人がけの四角い木製のもので成人男性でも一人で持つのはちょっとしんどいと感じるくらいの重さがあります。なので、一歩間違えれば命にもかかわりかねないとんでもない行為だったんです。しかも、車椅子で倒れた患者さんをYは乱暴にひきずって動かし、踏みつけるように蹴りをいれていました。『蹴ったかもしれない』なんてレベルではありません。病院幹部は、残された動画をしっかり確認しておきながら、きちんと説明していないんです。これは患者さんの家族に対しても同様で、会見では『被害届を出す意向がなかった』と家族の対応を明かしていますが、そもそも家族は詳しい暴行を知らされていなかった。単に手の傷を負ったとしか説明されていなかったようで、車椅子ごと転倒していたことも会見で初めて知ったくらいですから。こういう事情があるので病院上層部は隠蔽しようとしていたと確信しています」(Aさん)
穏当な表現で暴行の事実を覆い隠そうとしていたなら由々しき事態だ。Xに関するAさんの証言も重い。