表に出ていないだけで他にも数々の問題が
「病院上層部は、暴行は他にないと断言しましたが、彼の虐待行為は常習的でした。今回の被害者の他にも異常なほどXを恐れる患者さんが複数いるんです。50代の女性患者はXに腕を思い切り掴まれ暴力をふるわれた。『こんなの暴力じゃない、もっとひどいことをしてやろうか』などと言われたと訴えています。患者さんに対して『犬のほうがよっぽどかわいい』と暴言を吐くなど、振る舞いからして問題がありました」
看護職員のBさんは病院上層部の“隠蔽体質”を強く非難した。
「院長や看護部長らは会見で、Xの暴行が2件、Yの暴行が1件の計3件しか問題はなかったと話しています。表に出ていないだけで、Xが数々の問題を起こしていたことは多くの職員が知っています。XとYの2人だけじゃありません。例えば、患者さんが『バケツで殴られた』『何かで叩かれた』と訴えていたという記録が残っています。この患者さんの担当職員は女性で、別の職員が暴行をしていた証拠です。私自身は他の精神科病院での勤務の経験もありますが、ここまで職員の看護態様がひどい病院は他に知りません」
全職員と患者へのアンケートを実施
病院は今回の事件を受け、全職員と患者をあわせた約480人を対象にしたアンケートを行った。Bさんによると、職員や患者の話から、XとYの他にも少なくない人数の職員の虐待行為を訴える声が集まっている可能性が高いという。
「明るみに出ていない問題が山積しているのに、病院上層部はその場しのぎで今回の問題を片付けようとしているのは明白です。平気で嘘もつく。例えば会見でYについて、問題発覚後に患者と関わらない看護部長付に異動させたと言っていましたが、外来で患者さんの相手を普通にしていましたよ。さらに、上層部は誰がXの暴行動画を流出させたのかという犯人捜しに躍起になっています。問題を矮小化しようとする上層部に愛想がつきたので、取材に応じることにしました。記者会見でもマスコミに指摘されていましたが、病院は間違いなく暴行、虐待を隠蔽しようとしていた。少なくとも現場の人間の多くはそう考えています」(Bさん)