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「すぐに“あらぬ噂”を流される」教員を辞め、収入は3分の1に…東京から“限界集落”へ移住したYouTuberが語る、田舎暮らしのリアル

YouTubeチャンネル『小さな村で暮らす』の柳生さんインタビュー#1

2023/03/21
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海か山か…悩みに悩んで決めた移住先

――地域おこし協力隊を募集している地域は多いですが、そのなかから四国の限界集落を選ぶ決定打となったものは。

柳生 全自治体をチェックしましたし、悩みに悩んで選びました。当初の候補は沖縄だったんですけど、夫婦そろってアウトドアやキャンプが好きなので、海か山かを考えたら山だろうと。そこから山を念頭に置いて探していたら、四国の集落が自分たちに合っているかなと。

 自然環境はもちろんですけど、3年の間で定住の準備を進めながら自分のやりたいビジネスにも取り掛かっていいフリーミッション型であると求人要項に書いてあったので。

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 実際に問い合わせてみたら「YouTubeをやりたいなら、自由にやってください」とのことだったので、受けてみたら合格をいただいた、という流れですね。

現在住んでいる高知県大川村で撮影したもの 写真=本人提供

――移住に掛かる経費などは、地域おこし協力隊がカバーしてくれるのですか。

柳生 自治体によって違いますけど、僕が移住した地域では引っ越し代を出してくれました。あと、住居も協力隊の任期である3年は無料で提供してくれましたね。

古民家を片付ける様子からYouTubeチャンネルをスタート

――2021年11月から四国での生活が始まりましたが、すぐYouTube活動に取り掛かったのでしょうか。

柳生 最初の1ヶ月は、僕の3ヶ月前に着任した先輩隊員の方に付いて公用車の使い方を教わったり、挨拶回りをしたりしました。それを終えてから、自分のやりたい旨を伝えて、地元の団体の仕事を手伝いながらYouTube活動を始めて。行政の方からも、そういったことを地域のPR活動の一環としてやってほしいと言われていましたので。

 それで、貸していただける古民家も見つかったので、そこを改修のために片付ける様子を撮ってYouTubeチャンネルをスタートして。そうしたら、2ヶ月くらいで登録者が1000人を越えたんです。3年で1000人いけばいいくらいに思っていたので、「やっぱり、田舎暮らしって需要があったんだな」と思いましたね。

現在住んでいる高知県大川村で撮影したもの 写真=本人提供

――地域おこし協力隊の給与は、そうしたPR活動に対する報酬になると。

柳生 そうです。3年間そこに定住して、さらに独立・起業すれば100万円の補助金も出ます。さきほどもお話ししましたけど、その間にYouTuberとして基盤を固めておけばなんとかいけるなと考えたんです。