TVでも活躍する経済ジャーナリストの荻原博子さんが、68歳にしてダイエット挑戦を決めた理由とは? 彼女の行動を変えた「医師の衝撃的な言葉」を新刊『5キロ痩せたら100万円』より一部抜粋してお届けする。(全3回の1回目/#2#3を読む)

経済ジャーナリストの荻原博子さんにダイエットを決意させた「医師の言葉」とは? ©文藝春秋

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「謎の激痛」の正体は…

「痛いっ!」

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 椅子から立ち上がろうとした矢先のことです。腰に激痛が走り、思わず悲鳴をあげました。大きなハンマーで殴りつけられたような痛みが走って、腰から足の爪先まで耐え難いほどの強力な電流が流れたようになり、しばらく立ち上がれませんでした。

 それは、生まれて初めて経験した、正体不明の「激痛」でした。痛む足を引きずりながら急いで医者に行くと、医者は「よくいる患者だ」と言わんばかりに、「症状から見て、坐骨神経痛のようですね」と同情のかけらもない口ぶり。私のような患者は、珍しくないのでしょう。

 レントゲンを見せながら、医者はこう続けます。

「まだ初期段階ですね。過度な運動や、同じ姿勢での長時間のデスクワークなどが原因で腰痛に至るのは珍しくない。しかも、荻原さんの場合、それだけでなく、『太りすぎ』も原因のひとつだと思います。もう少し痩やせないと、腰だけでなく、そのうち体のいたるところが痛んできますよ」

 これまで、1日8時間くらいパソコンに向かって原稿を書いていることがざらにあり、原稿の締め切りに追われると、10時間から12時間パソコンの前に座りっぱなしということも。

 原稿の締め切りがなくても、送られてくるメールを見たり、誰かにメールを送ったり、知り合いとチャットをしたり、パソコンで映画を見たり……。そう、ほとんど毎日、必ずパソコンの前に座っていました。

 運動は、早朝の犬たちとの散歩くらいで、仕事の合間に軽いストレッチなどをして体をほぐせばいいのだけれど、面倒なのでやらない。

 そんな生活を、68歳になるまで延々と続けてきたのですから、知らないうちに体に無理が生じ、「積もり積もって体に支障が出てきた」という医者の言葉には素直に納得させられました。