太っている人と、そうでない人の医療費を比較してわかった「前者が失うもの」とは? 自身も痩せることを決意した、経済ジャーナリストの荻原博子さんの新刊『5キロ痩せたら100万円』より一部抜粋してお届けする。(全3回の2回目/#1、#3を読む)
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太っている人は、やっぱり医療費がかかる
皆さんに質問です。太っている人と太っていない人、体型によって年間にかかる医療費はどれくらい変わるのでしょうか?
2012年8月に、厚生労働省が、メタボ(メタボリックシンドローム)と判定された人は、そうでない人に比べてどれくらい医療費がかかるかという比較を発表しました。
この調査では、内臓脂肪型肥満の腹囲基準(男性85センチ以上、女性90センチ以上)に加え、脂質異常、高血圧、高血糖のうち2つ以上が重なった人を「メタボリックシンドローム」としています。
結果は想像どおりです。メタボの該当者はもちろん、「メタボ予備軍」と言われる人まで含めた方たちが年間に支払う医療費は、メタボではない方よりも、性別、年齢にかかわらず高くなっています。
医療費は、男女を問わず、年代が上がるに従って増えていきますが、男性の場合には、どの年代でも8万円〜10万円弱、支払う医療費に差が出ています。メタボの人とそうではない人で医療費の差が最も大きいのは、男性だと40歳〜44歳で、なんと8万8090円。「働き盛り」と言われる男性がメタボになってしまうと、年間平均約10万円も多く医療費がかかってしまうのです。