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日本ならできる、そう言い切れる理由

 私もそう思います。日本は全国に農業や漁業の協同組合という、権力が集中しないインフラを持っているので、小規模で地域ごとでやれますよ。この本にも協同組合を中心に食と農と共同体を立て直した事例が出てきます。

 今日山極先生と深く広くお話しできたことで、食べ物を分け合える私たち人間は、共に食べて共感を育み、未来に繋げていける――きっとまだ大丈夫だと希望を感じました。

 今日は本当にありがとうございました。

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山極 こちらこそありがとうございました。

(大垣書店京都本店主催イベントにて)

プロフィール

 

堤未果(つつみ・みか)

国際ジャーナリスト。東京都生まれ。ニューヨーク州立大学国際関係論学科卒、ニューヨーク市立大学大学院国際関係論学科修士号取得。国連、米国野村證券などを経て現職。米国と日本を中心に政治、経済、医療、教育、農政、エネルギー、公共政策など、公文書と現場取材に基づく幅広い調査報道と各種メディアでの発信を続ける。『報道が教えてくれないアメリカ弱者革命』で黒田清・日本ジャーナリスト会議新人賞、『ルポ 貧困大国アメリカ』で日本エッセイスト・クラブ賞、新書大賞を受賞。『政府は必ず嘘をつく』『日本が売られる』『デジタル・ファシズム』など著書多数。

 

山極寿一(やまぎわ・じゅいち)

1952年、東京都生まれ。霊長類学・人類学者。京都大学大学院理学研究科博士後期課程単位取得退学。理学博士。ルワンダ・カリソケ研究センター客員研究員、京都大学大学院理学研究科教授などを経て、2014年から2020年まで京都大学総長を務めた。国立大学協会会長、日本学術会議会長などを歴任し、現在は総合地球環境学研究所所長を務める。ゴリラ研究の世界的権威であるとともに、日本の学術界を牽引する存在でもある。2021年、第31回南方熊楠賞を受賞。著書に『暴力はどこからきたか』『「サル化」する人間社会』『ゴリラからの警告』『京大というジャングルでゴリラ学者が考えたこと』『人生で大事なことはみんなゴリラから教わった』など。