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「みんな、ChatGPTの扱いがもったいない…」ほとんどの日本人がチャットAIを使いこなせていない“決定的要因”

ChatGPTのホントの話/深津貴之インタビュー #1

note

「ChatGPTの扱いが雑すぎるんです」

深津 珍回答で評価している人のほとんどはChatGPTの扱いが雑すぎるんです。でも、それも当然の話で、現状は、ほとんどの人がChatGPTから「知性的な回答」を引き出せるレベルまで使いこなせていないと思っています。先ほどの話にも通じますが、平凡な質問をしていたら、平凡な答えしか返さないのがChatGPTの基本的特徴の一つですから。

――言ってしまえば、質問のしかたで価値が大きく変わる、と。

深津 はい、「質問力」がすごく問われます。平均値は平均値でも、ChatGPTの機能を認識したうえで、品質の高い平均値が出せそうな指示を出せるかどうかが、使いこなせるかどうかの分かれ目でしょう。

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 たとえば文春オンラインの企画を作らせたいときに、「面白い企画を考えて」というのはダメな質問の代表例です。

 そうした質問ではブログやら雑誌やら漫画やら、およそすべてのメディアを含んだ文脈の、面白い企画を考えると……」といった文を含んだ平均値が出力されるので、非常に当たり障りのない企画が出てきますからね。

大まかな質問をすると回答も当たり障りのないものに

 一方、「ピューリッツァー賞を受賞したニューヨークタイムズの編集者として次に提案すべき企画は以下のとおりである」という文章を投げかけたら、インテリライターが書いていそうな文章が出てくるでしょう。そんな平均があるかどうかはわかりませんけどね(笑)。

与えた役割に沿った回答を返してくる

 ただ、間違いないのは、答えの幅を決めるために、どれだけ「適切」な質問の仕方をするかがChatGPTを使いこなすうえでの腕の見せどころです。

――逆にChatGPTが苦手なこともあるんでしょうか?

深津 計算が苦手ですね。質問しだいではありますが、「確率的に文章を作る」というChatGPTの性質では計算の正しい答えを出しにくいんです。あと、現状のChatGPTは2021年頃時点までのデータしか学習させられていないので、それ以降の年代の事実が絡む質問も苦手といえるでしょう。

確率的に文章を作るため、計算の正しい答えを出すのは苦手

――そういう場合、つまり、ChatGPTの回答がおかしい場合に、「ここが違う」と問い直したら、別の回答をしてきて、次第に正解に近づくことはあるんでしょうか?

深津 ミスを指摘すれば「ミスを指摘された生徒が直す文章として確率的に高い文章」を出すので、それなりに修正されることはあり得ますね。ただ、すべて「確率のうえでは」という話です。実際のところ、ChatGPTは、確率で話しているだけなので、めちゃくちゃウソつきなんですよ。自分がしゃべったことの正しさは保証してくれません。苦手なこととして挙げた計算作業も、確率上ありそうなことをまことしやかに回答してきます。苦手なんです。

苦手な質問は、誤りを指摘していても、自信満々にウソを伝えてくることがある

――正確な知識、答えを検索するのには向いていないのでしょうか。