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「俺たちの仕事はキャッチと麻薬ね」

――歌舞伎町の黒人たちの主な仕事はやはりキャッチと麻薬売買ですか。

イブラヒム そう。俺たちの仕事はインターナショナルクラブのキャッチと麻薬ね。日本は英語が通じない国でしょ。日本語が話せないと仕事できないじゃん。麻薬売買はもちろんキャッチも違法だけど、麻薬売買もキャッチもブラックだけじゃなくて日本人もやってるじゃん。

――歌舞伎町の黒人が扱う薬物はやっぱりコカインが中心ですか。

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歌舞伎町の東通りで通行人に声を掛ける黒人のキャッチたち(写真:筆者撮影)

イブラヒム いろいろね。大麻もあるし覚醒剤もあるね。でも日本人にはブラック=コカインというイメージがあるみたいで、自然とコカインが多くなっているよね。

キャッチは客が使ったお金の30%をキックバックとしてもらう

――黒人のキャッチが増えたのはいつから?

イブラヒム ブラックが歌舞伎町に来始めたのは25年くらい前だったね。歌舞伎町、渋谷、原宿、六本木、上野、いろんなところでヒップホップの洋服を売っていたけど、売れなくなってバーやクラブを開き始めたね。

――インターナショナルクラブとキャッチの関係はどうなっているんですか。

イブラヒム 客引きはインターナショナルクラブの従業員じゃなくてフリーランサーね。店と契約して客を連れて行っているだけ。大体、客が使ったお金の30%をキックバックとしてもらってるね。昔は店の従業員として月給制でキャッチをしているケースもあったけど、いまはないよね。インターナショナルクラブの経営者はアフリカ人で、日本人が経営しているケースは聞いたことないね。

――日本人のキャッチと黒人のキャッチが話しているところをよく見ます。

イブラヒム ブラックのキャッチが日本人の経営している店に連れて行くこともあるよ。店に直接連れて行くこともあれば、日本人の客引きに引き継ぐこともある。その場合はブラックにもバックが入る。その逆もあるよね。英語がわからない日本人のキャッチが外国人観光客をブラックのキャッチに引き継ぐこともあるね。