「食べることは生きること」を一人でも多くの人に感じてほしい
──一人でも多くの人の励みや元気になれたら、という思いで全国どこへでも講演にも出かけていますね。
安武 福島に講演に行った時は、子どもたちからたくさんの手紙と「はながみそ汁を持っている姿を描いた絵」をもらいました。こういう贈り物は僕も嬉しいし、娘も「はなちゃんみたいになりたい」と言われることが自信にもなり、嬉しいようです。
昨年2月もはなと一緒に北海道剣淵町に行き、小さな小学校で5、6年生十数人に授業をしたのですが、届いたお礼状を読んだはなから、「パパの仕事はすごいと思った。また剣淵町に連れて行ってください」と言われて、嬉しかったです。「食べることは生きること」という命の授業を通じて、「生まれてきてよかった」と思える瞬間を、一人でも多くの人に感じて欲しいと願っています。
はなさんが15歳の誕生日プレゼントにほしいもの
──そういえば、はなさん、15歳のお誕生日でしたよね。プレゼントはやはり食に関係するものですか。
安武 いいえ、アイロンです(笑)。5歳のころから約10年間、同じアイロンを使い続けていて、そろそろ寿命だったんですよ。アイロンをかけながら、「誕生日のプレゼントは、新しいアイロンを買って」とつぶやいていました。
──将来は、食だけにとどまらない、家事全般のプロフェッショナルですね。
安武 本当はダンサーになりたいみたいです(笑)。千恵はダンス下手だったんですが、はなはなぜか子どもの頃から、リズム感がめちゃくちゃいいんですよ。よく家でも踊っています。無事高校生になれたら、近所のダンス教室にダンスを習いに行って、料理教室にも通いたいと言ってました。「踊れる管理栄養士を目指せ」とみんなに言われています(笑)。
写真=末永裕樹/文藝春秋