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大切なのは、お互いのすべてをさらけ出す姿勢
「親子の縁を築けたと思っていた人とも、あっさりこれで終わりなんですね」
絶縁さえ匂わせる展開に、このままでいいのかと周囲がざわめいても、廣瀬の怒りは収まらない。
「わかりました。俺、出ていきますから」
「達者でやれよ」
結果、原田は家出。いつもはケンカの翌日に仲直りするのだが、このときは3日間帰ってこなかったという。
生意気な少年との出会いによって発見した進むべき道
「体調のことがあるからさすがに心配になったけど、謝りにきて、それで解決。私、そんなことで終わっちゃうつきあいはしてこなかったつもりでいるから、仲直りできるかどうかなんて疑うこともないんだよね」
ケンカとなれば命がけで、相手を叩きつぶすまでやめようとしなかった廣瀬は、どんなに激しくぶつかり合っても壊れないどころか、お互いのいいところも悪いところもさらけ出してわかり合おうとするのだ。
変わったのは原田だけではなかった。廣瀬もまた、口をきかない生意気な少年との出会いによって、進むべき道を発見していったのだと思う。
「あの子とはそうなっちゃいましたね。私のことはうるせえババアだと思っているんじゃないかな。でも、あの日のは『おまえの母ちゃんになってやる』が噓じゃないことは、わかってくれていると信じたいな。そうだ、原田からも話を聞いてみてくださいよ」
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