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優勝はお客さんが教えてくれる

——上沼さんが、M-1の審査員をやるたびに本当にいろんなことを言われて疲れちゃったとおっしゃっていて。わかってないとか、適当にやってるとか。

山田 本当は、ネタの分析、解析は私たちもしてるんですよ。きっと上沼さんも。だけど、それ言うとつまらないじゃないですか。その日その場で面白かったかどうかなんだから。大爆笑したかどうかが優勝なんだから。シンプルに、単純に。

 でも、お客さんが教えてくれますよね。面白かったらやっぱり大爆笑ですよ。どうにもならないぐらい腹抱えて笑ってるんです。波打つぐらい。そして自分もお客さんですから。だから、やっぱりちょっとえこひいきも出るのかも分からない。自分の好きなタイプの笑いはあるから。

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「女の武器」とは何なのか

——あの日、(立川)志らくさんがヨネダ2000の講評をした時に、女の武器を使ってなくて偉い、みたいなことを話して、それも批判されていました。

山田 言ったね。きれいとかかわいいとかじゃない、お前たちはブスだって言ったっていうことでしょう(笑)。ひどいね。でも、いいんじゃない? それは個性だから。小っちゃいとか大きいとか、ちょっとキャラクターがあったほうがこの世界は稼げるんで。

 それを全部「これも駄目、あれも駄目」っていうのは難しいね。志らくさんもそんな大きいつもりで言ったんじゃないんだろうけどね。

——「女の武器」が何なのかでも、結構意見は割れていて。それこそきれいとかかわいいとかそれを「武器」と言っている人もいれば、女性芸人が今まで武器にしていた容姿いじりを「武器」と言ってる人もいました。

山田 そうね。女らしいしぐさもない、女特有のあるあるのネタでもなかったし、「女」じゃなかったよね。女女の部分がどこにもなかったよね。でも、私にはかわいらしい女の子たちがやったことも点数には入ってた。だから、私も早くIKKOと組まないと、と思った(笑)。そうしないとヨネダ2000とは戦っていけないから。

写真=石川啓次/文藝春秋