1ページ目から読む
2/5ページ目

口々に「何で84点だったんですか」

——腹立ったではなく、面白かった。

山田 だって「見てる」わけだからね。番組に関心のない人たちじゃないんだから。そこまで関心が集まる、最大級に面白い番組なんだなっていうことも再認識したし。私を批判する人たちがどんどんヒートアップしていって、すると今度は私のフォローに回ってくれる人たちが出てきてて、すごいことになっていた。ああ世の中まるごとM -1の評論家なんだと。

——本当にそうですね。

ADVERTISEMENT

山田 だってまだ言われますよ。飲みに行った先とか、他の番組でも「M-1の審査員でしたよね」とか。医療系のイベントなのに司会の人が「M-1審査員になられた山田邦子さん」って紹介してて、「それ関係あるの?」って思ったり(笑)。でもすごいの、会場は老人ばっかりなのに、みんな「ああ!」って。だから、すごい反響だったんですね。

 芸能界ではもうやったことないことはないだろうぐらい色々やってきたつもりだったけど、やってなかったこと、まだありましたね。その余波がまだまだジワジワ続いてきていて。今、いろんな番組に出てます。

——M-1の審査員になられたことでのインタビューも数限りなくオファーが来たのでは?

山田 何が聞きたいんでしょうね。別に「楽しかったです」って言うしかないんだけど。元雨上がりの宮迫(博之)にこの間会ったら「自分も点数付けてました」って言ってた。「姉さんの点数と全然違いました。最初の84、あれは辛くないですか? 自分、91だったんですけど」って、プロでも聞いてくるんですよ。「なんでって、84だったからだよ」って答えるしかないけど。

 

——あの最初の点数で、山田邦子さんは「置きにきた」わけじゃないんだなって思いました。

山田 せっかく出るんだから「ああ、山田邦子だな」と思ってもらったほうがいいし。だからといって奇をてらったわけじゃないよ。でも、そういうふうに書いてる人がいましたね。「(過去の採点を)予習してきたらどうですか。最初は90点台に決まってるじゃないですか」みたいに書いてる人がいて、エーッて。それ、決まってるの?

——もし決まってるとしたら審査は要らないですよね。

山田 (立川)談志さんの時見てない? 50点とかあったじゃん(笑)。まあそこまで下がらなくてもいいけどさ。

——かつてはもっと点数のバラつきありました。

山田 そうそう。いつからか、傷つけないで全員でゴールしましょう、みたいな空気になりましたね。1000万円をもらえる1位を決めれば、あとは傷つかないところに行くのかもしれない。