日本中が熱気に包まれたWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)、大谷翔平やダルビッシュ有などMLB選手以外にも、村上宗隆や佐々木朗希といった日本プロ野球の選手の活躍も日本のファンを沸かせた。しかし、そのメンバーに多くの野球ファンが活躍を期待したであろう、一人の選手の名前はなかった。

「栗山英樹監督が代表メンバーとしてこだわったメンバーは2人います。1人はヤクルトの山田哲人選手。そして、もう1人が巨人の坂本勇人選手です。山田選手は同じチームの村上宗隆選手などの説得もあり、最終的に出場することになりました。ただ、坂本選手だけは栗山監督がどんなに粘っても最後まで首をたてに振りませんでした」(スポーツ誌ライター)

JAPANのユニフォームを着ることはもうないのか ©文藝春秋
侍JAPANの栗山英樹監督 Ⓒ文藝春秋

坂本はなぜWBC代表入りを辞退したのか

 坂本といえば、2021年の東京オリンピックでベスト9に選出される活躍を見せた選手であり、実力はワールドクラス。WBCで14年ぶりの王座奪還を狙う侍JAPANの主軸を担ってほしいと願うのは栗山監督だけではない。国際大会を避ける理由もない坂本が、なぜWBCの代表入りを断ったのか。

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「代表入りしなかった理由は本人の成績不調です。2022年シーズンの成績はケガもあって惨憺たるものでした。本人は『2月までに体調を仕上げることができない。このまま代表入りしてもチームに迷惑をかけてしまう』と考えて代表入りを自ら辞退したようです。ただ、シーズンイン間近になっても調子は上がらず、ファンの間ではスタメン落ちを心配する声まであがっているのです」(同前)

 2007年に読売ジャイアンツに入団した坂本勇人は、翌2008年に19歳で開幕スタメン入りを果たす。ゴールデングラブ賞5回、2021年の東京オリンピックでは大会ベスト9に選出された。巨人のみならず球界を代表するプロ選手である。

 しかし、その坂本が昨年からかつてない不調に見舞われている。プロ野球史に名前が残るほどの大選手に今、何が起こっているのか。