文春オンライン
《存亡の危機》名門・東京女子医大の「深すぎる闇」 理事長の疑惑のカネ、医師や看護師の大量退職、崩壊状態のICU、医療ミスによる患者死亡事故…

《存亡の危機》名門・東京女子医大の「深すぎる闇」 理事長の疑惑のカネ、医師や看護師の大量退職、崩壊状態のICU、医療ミスによる患者死亡事故…

東京女子医大の闇#16

2023/03/31
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#10 死亡事故がICUで発生! “杜撰な安全体制”が招いた悲劇 (2022/12/20配信)

 恐れていた悲劇が起きてしまった。集中治療科の医師が一斉退職した、女子医大病院のICU(集中治療室)で、60代の男性が、医療ミスによって死亡する事故が起きたのである。

 この男性は、消化管穿孔(胃や腸などに孔が開いた状態)の手術を受けた後にICUに移されたが、集中治療医が不在のため、手術を担当した消化器外科医が、ICUでの管理も行うことになった。術後1週間が経過して、男性の人工呼吸器を外す際、「胸水」を抜く処置を消化器外科医が実施したが、その際に大血管か臓器を損傷して大量に出血が起こり、男性は死亡したという。

 現場の医師からは、「死亡事故の根本的な原因は、患者の命を軽視した大学の経営姿勢にある」との声も上がっている。

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#11 『背任罪』の疑いで“女帝”が警視庁に刑事告発された! (2022/12/28配信)

「刑法247条(背任罪)に該当すると思料されるので、被告発人の厳重な処罰を求めるため告発する」

 文春オンラインで報道してきた、岩本絹子氏が関与したとみられる疑惑のカネに関して、捜査を求める告発状が、2022年9月に警視庁捜査二課に提出された。告発人となったのは、いずれも女子医大OG(卒業生)の医師たちだ。

警視庁本部

 東京地検の元検事・落合洋司弁護士は「岩本理事長の権限によって、女子医大にとって必要のない金が使われたことが解明されると『背任罪』が成立する可能性がある」と述べている。

#12 女帝に仕える“謎の側近”に流れた「疑惑のカネ」とカラクリ (2023/01/28配信)

 岩本理事長には、影のように仕える2人の側近がいる。2019年にホテルオークラで開かれた、岩本理事長の就任祝賀会で、記念撮影に写り込んでいた、女性Xと男性Yである。女子医大の職員さえも、2人の素性は知らされていない。

岩本理事長の側近2人に関する契約の変遷

 至誠会の出向職員として、女子医大に入り込んだ2人は月額55万〜150万円(X)、80万〜90万円(Y)と破格の給与を得ていた。2020年、女子医大が職員の出向契約を至誠会(同窓会)から、彩輝なおの親族会社(ケネス社)の業務委託に切り替えた後も、変わらず女子医大での仕事を続けていた。