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#7  “女帝”に抗議した女子医大・外科医の“矜持” (2022/09/24配信)

 女子医大病院の2022年7月収支は、3億9600万円の赤字となった。行き過ぎた人件費カットなど、経営判断のミスでありながら、創立者一族の“女帝”として君臨する、岩本理事長に誰も意見できない。過去に容赦ない報復人事を受けた、教授たちのケースを見ているからだ。

本田五郎教授の手術場面(TWMUHBPGH.COM 本田教授のHPより)

 しかし、消化器外科の名医として知られる本田五郎教授が、この閉塞した状況を破った。残業時間を減らせと、要求する岩本理事長に、敢然と反旗を翻したのである。深刻な医師不足に陥っているため、一人当たりの労働時間が長くなるのは避けられないからだ。女子医大の内部から、ようやく変わる兆しが見え始めた瞬間だった。

#8 《決起した7人の医師》“女帝”に突きつけた質問書の全容 (2022/09/24配信)

 岩本理事長ら経営陣の迷走によって、大混乱に陥っている女子医大。この状況に危機感を抱いた7人の教授らが遂に立ち上がった。小児集中治療室(PICU)の閉鎖や、ICUの集中治療医の一斉退職の原因、そして今後の立て直しに向けた対策など、4項目について説明を求める「質問書」を経営陣に突きつけたのである。この「質問書」には、職員400人が賛同の署名を寄せた。

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7人の教授らによる質問書

 実は、医師不足の影響で、女子医大病院の救急外来は、閉鎖も検討する段階に追い詰められていた。にもかかわらず、丸義朗学長はさらに医師を減らす定員制を導入したのである。

#9 臓器移植などハイレベル医療から撤退を示唆した経営陣の非情 (2022/10/01配信)

 2022年9月22日、女子医大の経営陣は、教職員を弥生記念講堂に集めて、「質問書」の回答を行ったが、それが大きな波紋を呼ぶ。

 小児集中治療室(PICU)の閉鎖に関して、A特任教授の報酬について約束はなかったと主張。さらには「心臓移植と肝臓移植は、症例数がさほど多くない病態・疾患」として、今後の医療提供を再考する時期と述べ、臓器移植からの撤退を示唆したのだ。

 2022年、女子医大では脳死ドナーから提供された心臓移植が2件実施され、命が繋がれているが、その責務も放棄するような経営陣の姿勢に、医師たちは怒りと失望を隠さなかった。