新富士駅のホームは新幹線らしく高架で、間に通過列車が通る本線を配置した相対式だ。「こだま」しか停まらない駅なのだから、正直それほどお客は多くないだろう……と思ったら、案に反してそれなりのお客が降りていった。
大きなスーツケースを転がしている人もいるし、身ひとつのビジネスマン風もいる。何の集まりかはわからない、5~6人のグループもあった。ふだん、「のぞみ」ばかりを使っていると感じないのだが、「のぞみ」の通過する駅にも想像以上の需要があるのが新幹線の底力、なのだろう。
シンプル極まる構造の「新富士」
とはいっても、新大阪や名古屋、京都のような大ターミナルとはさすがにお客の数も規模も何もかもが違う。新富士駅には乗り継ぐ路線がないから、駅そのものもシンプル極まる構造をしている。
高架下の改札を出ると、南北への自由通路があって、北側に歩くとアスティというJR東海系列の駅商業施設が待ち受ける。定番の土産店やコーヒーショップ、さらには焼肉店まで入っていて、「こだま」のみの停車駅にしてはなかなかの充実ぶりといっていい。やはりさすがの新幹線、周辺地域の核のような存在であることは間違いなさそうだ。
駅の外に出ると…
駅の外に出る。地図を見ると、新富士駅の南側には国道1号が通っている。古くは五街道のひとつ、東海道の系譜を引く、道路交通における大動脈だ。
片隅に東横インがそびえるロータリーから国道1号に向かって歩く。戸建ての住宅が建ち並ぶゾーンもあるし、団地らしき建物も建ち並ぶ。
駅の近くには、富士市立田子浦中学校の跡地が整備された公園もあった。跡地というからには廃校にでもなったのか……と思って調べてみたら、国道1号の南に移転しただけのようだ。
町を抜けて国道1号へ
そんな新富士駅南側の町を抜けて国道1号へ。国道はさすがの天下の1号線、大きなトラックから一般的な乗用車までが、絶え間なく行きかっている。
ただ、新富士駅と国道1号の間はどちらかというと静かな町という印象の方が強い。めぼしい施設というと、駅前の東横インのほかは国道沿いに業務スーパーやアウトドア用品のショップがあるくらいで、ほとんどが住宅地、また広大な駐車場ばかりだ。
東横インのすぐ脇にも、広大な空き地があった。再開発の最中なのか、それともだいたいこんな町なのか。いずれにしても、新富士駅南側は国道1号以上に存在感のあるものは見当たらない。