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「新富士」の“正面”である北口に向かう

 ならば、北口である。だいたい、駅商業施設のアスティも北口側に面しているし、バス乗り場などがあるのも北口のようだ。

 新富士駅の“正面”というのは北口側といっていい。実際、行きかう人々の多くは北口に向かうし、駅前のロータリーではバスを待つ小さな列も出来ている。タクシー乗り場には複数台の客待ちタクシーがいて、それに乗り込んでどこかへと去って行く人も少なくない。

 

 さらに駅正面には土産物店らしき建物もあり、レンタカー屋もあり。南側と同様に駐車場が多いのは、他の鉄道路線とは一切接続していない新幹線駅であるがゆえの事情なのだろう。

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 駅前から富士見大通りといういかにも富士山が見えそうな通りを少し歩くと、新幹線駅前通りという大通りの交差点に出る。

 この交差点を東に行くと、日本製紙富士工場。富士見大通りをまっすぐ北に行けば、東芝の工場もある。そう、新富士の町は、巨大な工場がいくつも建ち並ぶ、工業地帯のターミナル。身ひとつのビジネスマン風が多く見えたのも、工場への出張かなにかでこの駅にやってきた人たち、というわけだ。

この町にある「“新”のつかない富士駅」を目指す

 この町には、新富士駅以外にもターミナルがある。新富士駅は“新”の駅なので、“新”のつかない富士駅があるということだ。

 新富士駅は新幹線、富士駅は在来線の東海道本線の駅である。新富士駅から北西へ、バスに乗れば10分ほど、歩いても20分程度の距離にある。せっかくなので、工業地帯の間を抜けて新富士駅から富士駅まで歩いてみよう。

 富士見大通りと新幹線駅前通りの交差点から、細い小川に沿うようにまさしく北西に延びる道がある。

 

 通り沿いにはところどころに小さなビジネス旅館の類いや小工場も見かけるが、主には住宅地が続く。富士見大通りに足を戻すと、その周辺にはとにかく大小の工場が建ち並んでいて、新幹線と東海道本線の間の住宅地は、こうした工場で働く人たちが暮らすゾーンということなのだろうか。

線路の反対側に見えてきたのは…

 富士見大通りは、新富士駅から歩くこと10分程度で東海道本線を跨ぐ。跨いだ先には大きな煙突から煙がもくもくとあがる大工場が見えるし、東海道本線の線路沿いを見渡すと貨物コンテナがいくつも並ぶ貨物駅。