文春オンライン

「物件の申し込みをするまで帰さない」「謎の初期費用」「敷金ゼロのはずが…」本当にいる“ヤバい不動産屋”の特徴

2023/04/13

genre : ライフ, 社会

なぜ客を来店させたがるのか

 なぜ悪徳仲介業者は客を来店させたがるのだろうか。

 前出の斉藤さんもそうだったように、部屋探しでは多くの人が大手不動産情報サイトで条件を絞って検索する。そして、自分の条件に合う物件があったら「お問い合わせ」ボタンをクリックし、内見の詳細について賃貸仲介業者とやり取りするのが一般的だ。

 しかし、おとり物件はそもそも存在しない情報なので、真っ当な業者のように事務的なやり取りをしても埒が明かない。とにかく客を来店させて、あの手この手で別の物件を売り込まなければならないのだ。

ADVERTISEMENT

 申し込みを強引に迫るのにも背景があるという。A氏が解説を続ける。

「大手の賃貸仲介会社を含めて、この手の不動産屋の営業マンは案内した客が申込書を提出して入居の意思表示をする“申し込み”の数によって評価されます。極端な話、後からキャンセルされてもいいんですよ。成約よりキャンセルのほうが褒められるくらいです。

 キャンセルになるような物件に客を案内して申し込みを勝ち取るからこそ、営業力があると会社から評価される。だから、ウソをついてでも客を来店させて申し込みを迫るんです。申込書を書けば客もその気になるので、成約になる確率も上がりますしね」

 A氏によると、こうした悪徳業者に引っかからないためには「メールでやり取りするのが重要です」という。うっかり店舗に行ってしまったら、いろいろな物件の内見に連れて行かれ、申し込みするまで帰らせてもらえなくなる。だから、仲介業者とは必ずメールでやり取りし、内見のときは現地で待ち合わせするのが安全なのだ。

「メールの文面もよくチェックしたほうがいいですね。『お世話になっております』といった社会人の挨拶ができなかったり、『!』マークを多用したなれなれしい文面のメールがきたら要注意です」(A氏)