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「物件の申し込みをするまで帰さない」「謎の初期費用」「敷金ゼロのはずが…」本当にいる“ヤバい不動産屋”の特徴

2023/04/13

genre : ライフ, 社会

地域密着型の不動産屋ならではの「手口」

 しかし、大手や中堅の有名賃貸仲介業者ではなく、地場系を選べば安心安全かというと、必ずしもそうとは限らない。地場系とはその土地に何十年も店舗を構えて地域と密接に結びついた不動産屋のことだが、地場系ならではの手口というのもあるのだ。

 東京郊外のベッドタウンに住む美容師の滝野望結さん(仮名、27歳)は、1年前に部屋探しをしたときにこんな体験をしたという。

「大手不動産情報サイトで検索するより地元の不動産屋さんで探そうと思って、『地域で○年』と謳っている店舗に行ったんです。そうしたら、担当者が『いまちょうどお客さまにピッタリの物件があります』と、あるアパートの図面を見せてきたんですね。

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 でも、建物自体は新築できれいなんですが、その物件にはオートロックがついてなかったんです。オートロックがあることは譲れない条件だったので、担当者にほかの物件も見せてくださいとお願いしたんですが、『この辺りは治安がいいので大丈夫です』とか意味不明のことを言って、全然探してくれない。

 なんとしてでもその物件に決めさせようとしているのがミエミエで、危うく内見させられそうになってあせりました」

 首都圏で賃貸物件の仲介をメインにした不動産会社を経営するB氏は「これは地場系の不動産屋の典型的な手口です」と話す。

「地場系の不動産屋の一部には、客より建物のオーナーのほうがよっぽど大切だと考える業者がいます。ですので、オーナーから『この物件に空室があるから入居者を探してくれ』と頼まれると、そっちを優先して紹介するんですよ。ハッキリ言って客が希望する条件なんてどうでもいいので、何も知らない客がその物件に押し込まれてしまうことがよくあるんです」

 希望する物件が見つかって契約までいっても、安心するのはまだ早い。初期費用や退去時の費用など、悪どい賃貸仲介業者はさまざまな口実をつけて入居者から金をむしり取ろうとする。たとえば、今回の取材で多くの人が被害を訴えたのが次のようなケースだ。