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堂々の第1位は『HERO』

 第1位は平均視聴率34.3%を獲得した『HERO』(2001年)。やはりトップはこの名作でした。『ロンバケ』推しの筆者も、『HERO』が1位という事実には納得せざるを得ないほどのモンスタードラマでした。

 元ヤンで高校中退という経歴ながら司法試験をクリアした型破りな検事・久利生公平(木村さん)が、生真面目な検察事務官である雨宮舞子(松たか子さん)とのコンビで捜査活動を行い、真相を突き止めていくというリーガルエンタテインメント。

 お気づきかと思いますが、3作品とも松さんが重要なキャラクターで出演しているのにも注目です。

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 さて、『HERO』は木村さんにとって大きなターニングポイントになった作品。それ以前は恋愛ドラマに出演することが多かったのですが、『HERO』以降は恋愛がメインテーマとなる作品への出演は激減。『GOOD LUCK!!』(2003年、TBS系)、月9の『プライド』(2004年)、『エンジン』(2005年)を代表に、パイロットやレーサーなど、“キムタクがなんの職業を演じるか?”がフィーチャーされる作品が増えていくようになるのです。

『HERO』第1シリーズ(DVD)

 とは言え『HERO』にもラブストーリー要素はきちんとあり、久利生と雨宮の淡い恋模様も描かれていきます。むしろ『HERO』はキムタク史上最大の恋愛ドラマだと言える側面もあるのです。

 というのも、久利生と雨宮の恋は足掛け15年にも及ぶ、超・長期ラブストーリーになっているからです。

もし『HERO』続編があるなら…

 まず、月9トップとなったこの2001年の『HERO』第1シリーズでは、久利生と雨宮が惹かれ合いながらも素直になれないまま最終話に。ラストで那覇地検石垣支部に飛ばされることになった久利生にお別れを言うために雨宮が現れ、2人の恋愛関係が少しだけ進展したところで幕を下ろします。

 その後、2007年に劇場版・第1弾が公開。その6年間で恋人同士になっているかと思いきや、雨宮が一度石垣島まで会いに行ったことはあったものの、それっきり連絡を取っていなかった模様。ただ、この映画のラストで久利生が雨宮に「約束します 離しません」というメッセージを伝え、キスをしてエンディング。

劇場版『HERO』(FODより)

 晴れて恋人同士になりハッピーエンド……でもなかったのです。

 2014年の連続ドラマの第2シリーズに雨宮は登場しなかったものの、2015年公開の劇場版・第2弾で雨宮は検事となって再登場。しかし、劇場版・第1弾の後、また2人は会わなくなっていたらしく、この劇場版・第2弾がなんと8年ぶりの再会だったというのです。

 劇場版・第2弾で雨宮が久利生のことを「大好きだった」と語るシーンがあるものの、恋人同士に戻るといった描写はなく、言わば2人のラブストーリーは未完のまま。もし『HERO』の続編があるならば、ぜひとも恋愛物語としてもきちんと完結させてもらいたいものです。

『教場』(2019年、FODより)

 最新作『風間公親 教場0』は、2014年の『HERO』第2シリーズ以来、9年ぶりの月9主演とのこと。4月3日、『教場0』完成披露舞台あいさつの場では、「月9って言わなくていいんじゃないかと個人的に思っています」と持論を明かした木村さん。最新作がこのトップ3以上に視聴者の記憶に残る名作になってくれることを期待しています。