渦中のポルノ女優とは、ストーミー・ダニエルズ氏(44)のことだ。ダニエルズ氏は20年以上にわたり米国のアダルトビデオ業界で活躍してきたポルノ女優で、数多くのビデオに出演し、監督も務めている。
ダニエルズ氏は2018年、CBSテレビが放送するドキュメンタリー番組「60 Minutes」でトランプ氏との不倫と口止め料をめぐる出来事について詳細に語っている 。
「娘を思い出すよ」ポルノ女優に猛アタック
ダニエルズ氏とトランプ氏の出会いは2006年7月の著名人が集まるゴルフ大会にさかのぼるという。
ホテルのスイートルームで食事をしたという2人。ダニエルズ氏は、当時トランプ氏と交わした言葉を振り返った。
「トランプは私に、『ワオ、君は……君は特別です。娘を思い出すよ』『君は賢くて美しい、そして侮れない女性で、僕は君が好きだ。君が好きだよ』と言ってきました」
当時、ダニエルズ氏は27歳で、トランプ氏は60歳だった。
ダニエルズ氏によると、2人は同意のうえで、ゴルフ大会が開かれていたリゾート地・タホ湖のホテルの一室で性行為に及んだという。当時、トランプ氏の妻・メラニア夫人が、息子バロン氏を出産して数カ月後のことだった。
性的関係を持った際、トランプ氏はダニエルズ氏にリアリティー番組「アプレンティス」への出演オファーをちらつかせたという。翌年、ロサンゼルスのホテルでこの番組の出演について話し合った際に、性交渉の誘いを受けたが、ダニエルズ氏は断ったと明かした。その1カ月後、トランプ氏から出演オファーを取り下げられたという。
大統領選の11日前に口止め料を受け取り、秘密保持契約を交わす
2011年、トランプ氏との関係について雑誌の取材を受けたあと、ラスベガスで1人の男が接触してきたという。
「乳児の娘を連れてフィットネスクラスに通っていた時のことです。駐車場で、後部座席で座席を後ろ向きにして、おむつ袋とか荷物を取り出していました。すると、男が近づいてきて、私にこう言ったんです。『トランプに構うな。この話は忘れろ』と。
そして、彼は身を乗り出して私の娘を見て、『美しい子だ。母親に何かがあったらかわいそうだな』と言いました。その後、彼は立ち去ったんです」
さらに、2016年の大統領選の数カ月前になって、ダニエルズ氏は自身の弁護士から、不倫について沈黙を守るのと引き換えに、トランプ氏の弁護士マイケル・コーエン氏が口止め料として13万ドルを支払うという話を持ち掛けられた。恐怖を覚えたダニエルズ氏は、選挙の11日前に秘密保持契約を交わし、金を受け取ったという。