日本各地に残る昭和のラブホテルを巡っている、昭和ラブホ愛好家のゆななさん(26)。北海道から沖縄まで、全国100軒以上の昭和ラブホを1人で訪れるほどの偏愛ぶりだ。今年3月29日には、自身の“昭和ラブホ愛”を詰め込んだ著書『回転ベッドを追いかけて』も出版した。

 そんなゆななさんに、昭和ラブホの特徴や楽しみ方、利用時の注意点などについて、彼女のお気に入りのホテル「Hotel SunPearl(ホテルサンパール)」(埼玉県川越市)で話を聞いた。(全3回の2回目/3回目に続く

昭和ラブホ愛好家のゆななさん

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ゆななさんが提唱する「昭和ラブホ」の4パターンとは?

――ゆななさんは、昭和ラブホは4パターンに分類できるとお話しされていますよね。どんなパターンがあるのか、具体的に教えていただけますか?

ゆななさん(以下、ゆなな) 王道系、ギミック系、ゴージャス系、渋い系ですね。

 王道系は、回転ベッドや貝殻、馬車をモチーフにしたベッドがあるところ。どれも、昭和ラブホ全盛期には多かったものです。

王道系の貝殻ベッドがある青森県上北郡の「ホテルナポレオン」(写真提供=ゆななさん)

 でも、1985年に新風営法が施行されてから、新しく回転ベッドを設置するのは法律上NGになってしまって。だから、今も回転ベッドが残っているのはすごく貴重なんです。

 ギミック系は、ベッドが前後に動くというか……。たとえば、福島にある「バステル花」というホテルのベッドは、一見すると普通のベッドなんだけど、ボタンを押すと前進して、宇宙空間のような隠し部屋に移動する仕掛けがあるんですよ。

福島県岩瀬郡にあるホテル「バステル花」では、ベッドが宇宙空間のような隠し部屋に動く仕掛けもあるという(写真提供=ゆななさん)

 ちなみにその隠し部屋は鏡張りになっているのですが、天井や壁を鏡張りにするのも新風営法が施行されてからNGになりました。だから、バステル花のように鏡張りの部屋が残っているホテルもとても珍しいんです。

――ゴージャス系、渋い系についても教えてください。

ゆなな ゴージャス系は、お城のような内装のホテルのこと。プリンセス気分を味わえるので、女性人気が高いですね。本物のお城っぽくするために、イタリアから高級インテリアを取り寄せるなど、総工費に30億円以上かけたホテルもあると聞いています。

高級インテリアに囲まれてゴージャスな雰囲気を味わえる千葉市の「ホテルファミー」(写真提供=ゆななさん)

 渋い系は、畳の部屋にブラウン管テレビと敷布団だけが敷いてある、おばあちゃんの家のようなお部屋があるホテルのことです。

「ホテルファミー」には和室の渋い部屋もあるそうだ(写真提供=ゆななさん)

――その4パターン以外にも、昭和ラブホならではのアイテムなどはありますか? たとえばこの部屋にも名残りがありますが、お金をカプセルに入れて空気でフロントまで送る「エアシューター」とか。