仕事や他の家事で疲れ果て、なかなか料理をする気にならない。そもそも料理が苦手だ。でも出来合いの食事続きでは飽きが来るし、外食ばかりでは家計が気になる。そんな悩みを抱える人にうってつけの、極めてハードルの低いレシピをまとめた本がヒット中だ。
掲載レシピは、電子レンジや炊飯器を活用し、火加減の手間を極力省いたものが多い。中には調味料と食材を和えるだけで完成するものも。おまけに総数は500品。連日作ってもなかなか尽きない大ボリュームだ。
「それぞれのレシピは簡単である分、数で勝負することを強く意識しました」(担当編集者の松尾麻衣子さん)
そのために、手順の説明も工夫。通常のレシピ本では材料欄と作り方の解説が分かれていることが多いが、材料欄を設けず、手順の中に食材や分量を記している。
「代わりに手順の中で主な材料にはマーカーを、使う調味料には下線を引いて視認性を上げています。また『最後にネギを飾る』といった、味に大きな影響を与えない仕上げの工程を省き、『電子レンジで加熱する』ではなく『チンする』など言葉を短縮。さらに日々の暮らしでの使い勝手を上げるために、材料別に見出しもつけました」(松尾さん)
30代~40代の主婦層を中心に、幅広い読者に受けている。一人暮らしを始める子供や孫へのプレゼント需要もあるようだ。