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テレビや出版社に電話して「あの記事は違うんです」 ”沼の底”から救ってくれたのは千原ジュニアだった TKO木下&木本が語る芸能界「天国からの転落」

TKOインタビュー #2

source : 週刊文春

genre : エンタメ, 芸能

「ペットボトル事件」と「7億円投資トラブル」……。コンビともに不祥事を起こし、表舞台から去っていたお笑い芸人のTKO木本武宏(51)と木下隆行(51)が今年2月に活動を再開した。

 今回、『週刊文春』のインタビューに約80分間応じ、いまの胸中を告白。二人が味わった芸能界の「天国と地獄」、トラブルを呼び込んだ「メンタル」の危機、救ってくれた「恩人」――。すっかり“平身低頭“に語った(全2回の2回目/#1から続く)。

©松本輝一/文藝春秋

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「ペットボトル事件」の頃はコンビ揃ってもがいてた時期

――しかし、歯車が狂っていきましたね。まず木下さんの「ペットボトル事件」が2019年に発覚しました。舞台で冗談めかして木下さんをからかった後輩に対して、その後ペットボトルを投げつけるなどの言動が「パワハラ」と報じられ、大騒動に。松竹芸能も退所しました。なぜあんなことに?

木下 「事件」から発覚まで9カ月ありましたね。まず、ことを起こした直後は、物を投げたって事実は自分でもわかってた。だけど「謝れ」と周りの人に言われて、「何で俺が謝らなあかんねん!」とか思って、突っぱねていたんです。それくらいの認識のレベルだった。

 でも、あとになって「ああそうか。いや俺、やったらあかんことしてるよなあ……」って。やられた方は傷つくことやし、謝るべきことだと、だんだんわかりました。

――当時どんな精神状態だったんでしょう。

木下 あのころ、心が小さくなってたんかなあって思う。メンタル的に、危機は迫っていたと思うんです。

 もちろん多くお仕事はいただいてましたけど、ちょうどコントをしなくなった時期で。自分の中で「やりたいことがやれているのか」「うまくいかない」とか思って、なんか楽しくなかったんですよね。

 今になったらわかります。後輩の「イジリ」を僕が先輩としておいしく受け止めて、面白おかしく笑いにすればよかった。でも当時は怒りとしてぶつけてしまったんやと思う。しかもぶつける方法を間違えてしまったんですね。

木本 確かにコンビ揃って、もがいてた時期。他の人から見たらテレビに出続けて「全然十分だよ」という状態ですけど、僕ら『キングオブコント』(TBS系)という番組を卒業して、「もうすぐ50歳になるけど現状で大丈夫か」という不安があった。まともに二人で話し合いもせず、ネタ作りも気持ちが入ってこなくて。