文春オンライン

テレビや出版社に電話して「あの記事は違うんです」 ”沼の底”から救ってくれたのは千原ジュニアだった TKO木下&木本が語る芸能界「天国からの転落」

TKOインタビュー #2

source : 週刊文春

genre : エンタメ, 芸能

沼の底に沈んでる僕を引っ張り上げてくれた人物

――木本さんは投資話が好きで、本業以上に稼いでいたのではという報道もありました。

木本 本当に、そんなこと全然ないんですよ。そもそも僕、投資で儲けたことがないんです! むしろ、このトラブルだけで。

 でも僕の投資トラブルの場合、他にも被害者の方や関係者がいて、自分だけが勝手にこういう「言い訳」を語ることができなかったんです。もどかしかったです。ようやく見通しができて、記者会見できたのが今年の1月でした。

ADVERTISEMENT

 引きこもってると、お肉とかしっかりしたものを食べられない体調になり、戻すこともありましたね。やばい精神状態になって、テレビとか記事を見て「違うんです」とか言いたくなったら、実は出版社さんとかテレビ局さんにいきなり自分で電話したこともあったんです。

 どんどんネガティブになり、今までやってきたことも全部「ゼロ」だと。はい、木本はこういうとんでもないやつなんやと、世の中にそう思われてしまったと。もう無理かもと思ったんです。仕事を再開させる自信がなかったです。

 そんな状態の時に、沼の底に沈んでる僕を引っ張り上げてくれたのが、千原ジュニアさんだったんですよ。

千原ジュニア ©時事通信社

「何を無理だとか考えてるんだろう」と目が覚めた

――小説「転落」の帯も千原ジュニアさんが書いていますね。以前から、木下さんのこともずっと気にかけていたとも聞きました。TKOの「恩人」ですか。

木本 そうなんです。くりぃむしちゅーの有田哲平さんとか、あの時、いろんな方に助けてはいただいたんですけど、最初に連れ出してくれたのが千原ジュニアさんでした。

 僕の騒動から2カ月くらいが過ぎた9月ごろでした。千原ジュニアさんが「家閉じこもってたらあかん。ちょっと出てこないか」ってご飯に誘い出してくれたんです。「この店、うまいねん!」とか言いながら小さなイタリアンに連れてってもらって、イタリアの家庭料理を食べさせてもらった。数人で囲んでもらいました。

 そこでは、何かトラブルについて深く聞かれるわけでもなく、ああでもない、こうでもないって普段通りの他愛もない雑談をしてくれたんですよね。

 僕も乾杯だけビールを一杯飲んで、すっごく美味しいソーセージを食べてたら、「ああ、何を無理だとか考えてるんだろう」と思って。自分がどれだけ精神的に落ちているのか、いつも通りの雑談との落差で気が付いて、なんか目が覚めたんです。

 今わかったのは、やっぱりすべて自分のせい。マスコミさんに色々書かれてつらい思いをしたけど、でもトラブルが無ければ記事が出ることもなかった。しかもあのまま何も書かれなかった方が、問題を隠したままで僕は潰れてたかもしれない。発覚したことで、逆に投資トラブル自体が解決する方向に事態が展開した面もあったんです。